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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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◆◇◆◇◆◇
(全角のみです)
京 都 大原 星 銀河 夢 心 人形 宇宙船 月 夜 花 光 月 夜 花 光 、 ◇ 令 和 SFミステリー
[、 ◇ or検索] ヒット 108 件です。
パペットショー /FB2/PuppetShow/
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ここか ら、銀河の中心の方向へ、ほんの、4千光年行ったところにあります。  ただし、私は、その惑星の代表ではなく、銀河連邦の全権大使として、 来ました。銀河連邦は、高度に文明化された星々による、互いのための 連邦です。私の使命は、あなた方を訪問し、あなた方が連邦に喜んで 参加するかどうかの、返事をもらうことです。  自由に質問してください。ただし、質問のいくつかについては、好ま 24 23 しい答えでない場合、私は、即答しない権利があることとします。好ま しい答えの場合は、しばらく即答を避けた質問も含めて、すべての質問 に答えます。そこまで、よろしいでしょうか?」 「ええ」と、大佐。「さっそくだが、なにで来たのかね?宇宙船か?」 「そうです」と、ガース。「ちょうど、この真上の、2万2千マイルの 静止軌道上にいます。ここの真上にとどまるように、地球とともに、回 転してるわけです。船
致命的なミス /FB3/FatalError/
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居間にはいった。寝室のドアはあけっぱなしにして、そこから物音 はなかったので、さきにどろぼうのふりをすることにした。叔父お じが現金 を置いていた場所は分かっていたが、あえて捜しまわったようにした。 月明かりはじゅうぶんで、静かに手順通りに━━━。  2時間後には、ウォルターバクスターは家に帰って、すぐに服をぬ ぎ、ベッドに入った。警察は明日あ すまで犯罪に気づかないだろう。しかし すぐに来たとしても準備はできていた。現金とバールは始末してあった。 数百ドルを捨てることは痛かったが、それがもっとも安全だった。5万 ドル相続することを考えたら、なんでもなかった。 4 3  2    ドアをノックする音がした。もう?ウォルターバクスターは、自分を 落ち着かせて、玄関に行ってドアをあけた。保安官と助手が入ってきた。 「ウォルターバクスターか?」と、保安官。「逮捕状が出ている。服を
存在のわな /FB4/Trap/
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ロサンジェルスへ行って、革命を指揮したという。  同じように一笑に付されるものは、彼の不死身の迷信である。何十回 も書かれていることは、暗殺者たちの弾丸が彼の体を通過しても、いか なる生活の不便ももたらさなかったという。  彼の敵である真のアメリカ愛国者たちがついに彼を暗殺したことは 不死身の迷信が誤りだったことを証明した。ローズボウルでの極上のホ ラーシーンは、多くのその場の目撃者たちが証言しているように、疑い も無く、彼の敵によって仕組まれた、マジックショーであった」 32 31  4    ストレンジャは、囚われたものを静かに、体系的に調べ始めた。粘り 強く調べ、ついにキーとなるものを見つけた。  ジョニーディックスの頭にある記憶にアクセスして、調べた。あるエ ピソードが突然、彼自身の記憶であるかのように、鮮あざやかによみがえっ た。  彼は小さなボートの上にいた。島々を
カトゥーニスト /FB4/Cartoonist/
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「ここから見たら、どこ?」  怪物は6本の腕の1つでジェスチャーした。「あんたの壁の裂け目を 通ればすぐ。準備は?」 「まだ。オレがもらえる賞はなに?そのカトゥーンのこと?それをどこ で見た?」 「そう、そのカトゥーンが受賞した。オレたちはあんたたちの世界や 文明にとても馴染 なじみがある。あんたたちの世界はオレたちの世界と平行 18 17 宇宙になっている。ただし、連続体が異なる。オレたちはユーモアのセ ンスがとても高い人々だ。オレたちは芸術家はいるが、カトゥーニスト がいない。その能力が欠けているようだ。あんたが描かくカトゥーンは、 オレたちにとって、ひどく苦しいほどおもしろい。すでに、スヌークに いるすべての人がそれを見て笑っている。準備は?」 「まだ」と、ビルカリガン。  ふたりの怪物は、銃口を上げた。同時にクリック音がした。  4   「気がついたかね?」と、声。「こ
緑の世界 /FB/SomethingGreen/
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なんども、つまずいて、よろめきながら。近くまで来 て、宇宙船が、マクガリーのものと同じ、ひとり乗りであることがわか った。しかし、ひとり乗りでも、緊急時には、ふたりを運べた。少なく とも、地球へ戻る、ほかの交通手段のある、近くの惑星までは。  緑の丘、緑の原野、緑の谷。  マクガリーは、めったに走らなかったように、祈ることも、誓ったり することも、めったにしなかった。なみだがほおを伝って、流れおち た。  ドアの前まで来ると、マクガリーは、待った。ドアが開くと、宇宙パ トロールの制服姿の、長身の若い青年が、降りてきた。 「いっしょに、連れて行ってくれるかい?」と、マクガリー。 「もちろん」と、宇宙パトロールの青年。静かに。「ここには、長く?」 「5年だよ!」マクガリーは、自分で大声を出していることに気づいた が、やめられなかった。 「そう、たいへんだったね!」と、宇宙パトロールの青年。「オレは、 アーチャー中尉。エンジンが冷えて、離陸できるようになったら、すぐ にでも、あんたを乗せてあげられる。とりあえず、アルデバラン第2惑 星のカートヘイジへ向おう。そこで、別の宇宙船に乗り換えて、どこで も好きな場所へ行ける。なにか、すぐにでも、ほしいものは?食料とか、 水とか?」 24 23  マクガリーは、なにもこたえずに、頭をふった。食料とか、水なんて、 今は、ぜんぜん、重要ではなかっ
パターン /FB2/Pattern/
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たしかに彼らの内部で炸裂したが、まったく、効果がなかった。 1匹が、砂漠を横断しているあいだに落とされた水爆でさえ、ほんのか すり傷さえ与えられなかった。  彼らは、われわれには、なんの注意も払わなかった。 「それにさぁ」と、ミスメーシー。妹に。妹も、ミスメーシーだった。 というのもふたりとも、未婚だったからだ。 「彼らは、どんな危害も加えないのが、証拠よ、そうでしょ?」 「わたしも、そう、望みたいわ、アマンダ」と、妹のミスメーシー。 「でも、見て、彼らは、なにかしているわ」  その日は、天気のよい日だった。すくなくとも、すこし前までは。空 4 3 は、明るいブルーで、巨人の人間そっくりな頭と肩は、1マイル上空で、 ほとんどくっきり見えていた。しかし、今、だんだんもやがかかってき た。ミスメーシーは、妹が上空を見ているので、いっしょに上を見た。 2匹の巨体が見えた。1匹が、タン
ネコどろぼう /FB3/CatBurglar/
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 ネコどろぼう  原作:フレドリックブラウン  アランフィールド    プロローグ    ミッドランドシティ警察の署長は、2匹のダックスフンドを飼ってい た。名前は、リトルノートとロングリメンバーだった。しかしこのこと は、ネコどろぼうとは全く関係ない。このストーリーは、いわゆる署長 が、一見すると不可解な一連のどろぼうに━━━ひとりの男の犯罪に興 味をもったその関心事から始まる。  どろぼうは数週間で、19の家に侵入した。見たところ犯罪は計画的 だった。侵入した家にはかならずネコがいた共通点があったからだ。  どろぼうはネコだけを盗んだ。   2 1  1    たまには、現金が見えるとこにあったり、宝石があったが、どろぼう は目もくれなかった。家主が帰ると、窓やドアがこじあけられ、ネコが いないことを発見するが、ほかに盗まれたものはなく、室を荒らされて もい
ある日どこかで /SY/SomewhereInTime/
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 ある日どこかで  原作:リチャードマシスン  リチャードマシスン    プロローグ        ◇     2 1        1              (つづく) 4 3
ファブクリップ /FB5/FabClip/
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上に投げてみた。  誰かが笑って、言った。「ジャグしたいか?」  オレはボールをつかんで、ポケットにしまうと、振り返った。  ボビーレインハートだった。ハイデン葬儀店の店員、木曜の朝、出勤 してきて、おやじの遺体を見て誰だか伝えた男だ。日焼けした肌とグリ ースを塗った黒髪に似合ってない白のパームビーチスーツを着ていた。  歯を見せて笑っていたが、さわやかさに欠けて、好きになれなかった。 「なんだと?」と、オレ。  笑いが消えて、険悪な表情になった。  もってこいだった。やつがなにか言うのを期待した。やつの顔を見て、 ガーディといっしょのところを想像した。葬儀店に安置されたおやじを やつが見て、そしてたぶん、おやじのからだを処置していることを考え た。ああ、ひどい!別のだれかであってくれれば、もっと違うふうに思 304 303 えたはずだった。しかしそれを始める人間を好きではないとき
ナッシングシリウス /FB2/NothingSirius/
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かわいそうなエレン」と、オレは考えた。そのかわいそうな青 年は、疑いもなく、去っていった。  ちょうどその時、たぶん、ジョニーを見ていて思い出したのは、50 ドル賭けて、幸せな結婚をしたってことだ。オレは、ママの腕を取って、 支えた。 「サム!」と、オレ。「ここは、いったい━━━つまりこの惑星は、 いったいなんなんだい?」  サムは、振り返って、うしろを見た。 「ミスアンバース!」と、サム。「古い友人が来たので、紹介しよう。 フェリー夫人、こちら、映画女優のミスアンバース」  サムの紹介は、そのつぎが、エレン、それから、オレ、最後に、ジョ ニーだった。ママとエレンは、とても礼儀正しかった。オレはというと、 ミスアンバースが差し出した手に、気づかないふりをした。年の分、賢くかしこ も、オレは、彼女のような女性の手を握ってしまったら、離すのを忘れ てしまうんじゃないかという勘かんがした。  ジョニーは、離すのを忘れてしまっていた。 38 37
感想 /CO/Comment/
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そ れで、やつは死ぬために家に入った。自分の名前の書かれた室へ行き、 10 9 その室に入る。戻れないことを知りながら。    室の中ではろうそくに火をつけ、静かに死を待つ。しかし時間が過 ぎて、死が迫ってくると、まだ死ぬ準備ができていないことに気づく。 まだ死ねないと考えるが、その瞬間は目の前に迫り、やつは、恐怖を覚 える。絶望しながら、室を出ようとする。だが、もちろん、死からは逃 れられない。それが悪夢の結末だ。  ラリーホーム Seattle  Liked by 1 person  ◇アランフィールド 2018年7月24日◇    フレドリックブラウンは、オレが思うに、彼の魔法のようなショート ストーリーで、時として最後のセンテンスに秘密を明かす。最後のワー ドにさえ。「ザ・ハウス」においては、最後のセンテンスは以下だ。    ろうそくの残りが、あと1センチになるまで、9時
失われた母星 /ST/StarTrek2009/
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だから、オレは、これから、連邦の 惑星すべてを、破壊する。まず、地球からだ」 「では、なにも、話すことはない」と、パイク。 「地球のシールドを停止させる、周波数を教えろ!」  ネロは、水槽から虫をピンセットで、つまみ上げた。 「ケンタウルスなめくじ、おまえの脳幹に張り付き、こいつの吐く毒が 自白剤となる。周波数を言うんだ!」 「クリストファーパイク、USSエンタープライズ━━━」 「お望みなら」  兵士が、パイクの頭をおさえ、口を開かせた。ネロは、パイクの口に 虫を押し込んだ。    ◇    エンタープライズのブリッジ。 「ネロは、たしかに、地球に向かったのか?」と、スポック。歩いてい 128 127 た。 「航路から計算すると、ほかにはありえません」と、ウラ。 「ありがとう、ウラ中尉」 「つぎは、地球だろうが」と、カーク。船長席で。「連邦のすべての星 が、標的だと思った方がいい」 「
星雲を越えて /ST/StarTrek2016/
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チェコフは、イスか ら投げ出された。  船長席のカトウは、銃を向けられて、立ち上がった。  そのとき、敵は3人とも、後ろから撃たれて倒れた。  銃を構えたカークが入ってきた。 「船長!」と、チェコフ。異星人の女性船長も見ていた。 「円盤部には、あと、なん人いる?」とカーク。 60 59 「ゼロ」と、カトウ。パネルを操作した。「このデータの通りなら。敵 にさらわれました」 「船長!」と、チェコフ。「惑星の引力につかまって、離脱は、不可能 です!」  スクリーンに、惑星の地面がせまった。 「脱出ポッドに乗れ!」と、カーク。 「はい、船長!」と、チェコフ。 「来い!行くぞ!」と、カトウ。  ブリッジにいたクルーは、ひとりづつ、ブリッジに備え付けのひとり 用脱出ポッドに乗り、船外へ発射された。  異星人の女性船長も、クルーに案内されて、脱出した。  円盤部は、大気圏に突入した。追ってきた敵の
グレーの悪夢 /FB3/NightmareInGray/
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かすかなやさしいそばかすに大きなやさしい茶の目をしてい た。  彼女は、彼が今まで生きてきたなかでもっともすばらしい存在だった。 これは、誰にでも起こりうることだ。  そう、今はお昼過ぎで、スーザンが指定した時刻だった。ベンチから 立ち上がり、うたた寝ですこし筋肉が凝ったので大きく伸びをした。 それから、昨夜スーザンが教えてくれた家へ向かって歩き始めた。すこ 4 3 し早く着いたので時間潰つぶしをしていた公園から、数ブロック先だった。 春の日、明るい日射しのなかの短い散歩。  玄関の階段をのぼり、ドアをノックした。ドアがひらいた。一瞬、ス ーザンかと思ったが、応対に出てきた娘は、スーザンに似ていただけだ った。スーザンが言っていた、1才年上の姉のドロシーだろう。  彼は、おじぎをして、自己紹介した。 「マクガリーですが、スーザンさんは、おられますか?」  ドロシーは、一瞬、奇妙
ヴァンパイア /FB/Blood/
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遥はるかな未来、ヴァンパイアという言葉さえ忘れ去られ、ふたりが安心 して、暮らし、子孫しそんをふやしていける未来へ━━━。 「お腹なかがへったわ、ヴェロン」と、ドリーナ。「ひどく空腹よ」 「オレもだ、愛するドリーナ。また、タイムマシンを止めてみよう」  ふたりは、すでに、4回、タイムマシンを止めていたが、いずれも、 あやうく殺されるところであった。ヴァンパイアは決して忘れ去られ ていなかった。  前回止めたのは、50万年前だった。人類に代わって犬が人類のよう な文明を築いている社会であったが、まだ、ヴァンパイアは忘れ去られ ていなかった。一度、ふたりは、犬社会の娼婦の血をむさぼったが、す ぐに見つかって猟犬たちに追い立てられ、タイムマシンで、さらなる未 来へ逃れるしかなかった。 「止めてくれて、うれしいわ」と、ドリーナ。溜息ためいきをついた。 「オレに感謝しないでいいよ」と、ヴェロン。「ここが、終点だ。燃料 切れなのさ。ここでは、おそらく、燃料のウランはすべて、鉛になって いて、見つからないよ。ここで生きてゆくしかない。あるいは━━━」  ふたりは、偵察のために外へ出てみた。 「見て」と、ドリーナ。ふたりのもとに近づくなにかを指さしていた。 「新しい生物だわ!犬は、滅ほろんだのよ。なにものかが支配して、ヴァン パイアは、忘れ去られたわ!」 4 3  こちらにやってくる生物は
オーマイガー /FB2/Jaycee/
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明らかに、ジョンが健康で普通であることがわかって、初 めて、医師たちは、門戸を開放し、子どもを欲しがる女性━━━独身で あろうと、不妊の夫をもつ女性であろうと、単性生殖で子どもを持つこ とを許可した。2030年代に発生したパンデミックによって世界の 男性人口の1/3が失われていたため、5000万を越える女性が単性 生殖で妊娠し、子どもたちが生まれた。性のバランスをとるのに、幸運 だったのは、単性生殖で生まれた子どもたちは、すべて、男性であった。  エピローグ   「マルシアが言うには」と、ラルストン夫人。「ヘンリーの心配は、ジ ョンのことらしいの。でも、理由がわからないって。だって、ジョンは、 あんなにいい子なんですもの、と言っていたわ」  そのとき、いきなり、ドクターグラハムが、ノックもなしに室に入っ てきた。顔は、まっ白で、目は、大きく見開かれ、同僚を見つめて、言 った。 「ぼくが正しかった」 「正しいって、なにが?」 6 5
ファイナルアンサー /FB2/Answer/
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 1    デュワーレインは、無数の聴衆にむかって、簡潔に話した。しばらく の沈黙ののち、彼は、言った。 「スイッチをどうぞ、デュワーイブ」  デュワーイブはスイッチを入れた。大きなハム音が響いて、960 億の惑星から情報が押し寄せてきた。数マイルにおよぶパネルが点滅し、 やがて、静まった。  デュワーイブは、1歩下がり、深く息をした。 「最初の質問をする栄誉は、あなたのものです、デュワーレイン」 「では」と、デュワーレイン。「今まで、どのサイバネティックマシン でも、単独では、答えられなかった質問です」  彼は、マシンの正面に立った。 「神は、存在するか?」  力強い声が、なんのためらいも、なんのリレーの点滅もなしに、こた えた。 「そう、今や、神は存在する」  突然、デュワーイブの顔におそれの表情がうかび、スイッチにとびつ いた。 4 3    エピローグ    一筋の雷が、雲
ザ・ハウス /FB1/TheHouse/
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もうひとつは、サブロサ分譲地の区画販売の広告であった。前の方のペ ージには、誰かが、鉛筆で、ガーフィンクルという名前を書きこんでい た。  彼は、プログラムをポケットに押し込むと、広間に戻り、階段をめざ して、壁に沿って歩いた。  2    ある室を通りすぎるとき誰かが、ハワイアンギターを調弦している ような、あまりうまくはない曲が聞こえた。ドアをノックすると、走り さる足音が聞こえたが、返答はなかった。ドアをあけると、ちらりと見 えたのは、シャンデリアから吊るされた腐りかけた死体で、あまりにひ どいにおいに、いそいでドアを閉めるしかなかった。階段のほうへ歩い た。  階段は、せまく、曲がりくねっていた。手すりもなかったので、壁に しがみつくようにしてのぼった。下から7段目までは、きれいにそうじ 6 5 されていたが、その先は、ほこりがたまり、ふたたび、曲がりくねった 通路が
小さな子羊よ /FB/TheLittleLamb/
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 ありがとうと言って、電話を切った。電話ブースを出たとき、チャン ドラー夫妻は、すでに、帰っていた。外で、車が発進する音が聞こえた。  ハリーに手をふって、外へ出た。チャンドラーの車のテールランプが、 丘をのぼって行った。車が走り去った方角に、ハンスワグナーのところ があった。夫妻はオレが聞くべきでないことを聞いてしまったとか、 そこへ行くかもしれないことを、ラムに、つげぐちするために、その方 角に向かったのかもしれなかった。  しかし、それは、あまりに、バカげた考えだった。イブチャンドラー が、ラムがハンスといっしょだ、と考えた根拠がなんであったにせよ、 それは間違った考えだった。ラムは、そんなことをするはずはなかった。 イブは、たぶん、どこかで、ハンスといっしょに、ドリンクをとってい るラムを、何度か見て、それで、物事を悪く、とったのだ。ひどく、悪 く。どうあれ、ラムは、それよりずっと、よい趣味だった。ハンスは、 24 23
夢、遥かなる地にて /ST/DS9_6_4_1/
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「だって、これ、『人形使い』以来の傑作!SF、よく読むの」 「いい子だね、君は」と、ハーバート。 「あんたみたいな人が増えてくれなきゃ」と、ケイシー。 「ベニーの小説は、ほんとに、そのおえと、そのお、どう言えばいい かな、えと、非常に、そのお」と、アルバート。 「感動的!」と、ダーリーン。 「ええ、そう」 「うふ」 「実に画期的なすばらしい作品だ、ディープスペースナインというタイ トルも興味をかき立てられる」と、ハーバート。 「おみごとだ」と、ジュリアス。 「彼は、舌足らずだね、君の才能の半分でもあればと、そう、言いたか ったんだよ」と、ハーバート。 「ねぇ、ベニー、私、この少佐が気に入ったわ、タフな女よね、SFに はもっと強い女が必要なのよ、いつも、そう言っていたわよね?」ケイ シーはジュリアスに訊きいた。 「耳にタコだよ」と、ジュリアス。 「このカーデシア人、絵心をそそるね、特に、首のデコボコが。文章を 元にスケッチをおこすよ。表紙に使える」と、ロイ。 44 43 「時間の無駄だ。君も仕事に戻れ!」編集長のパブストが室に入ってき た。 「はい、パブストさん」と、ダーリーン。
殺人アシスタント /FB3/Hobbyist/
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店主はカップに 注いだ。  サングストロムは、話し終えた。 4 3  2   「検知されない毒薬は」と小鬼の店主は、うなづいた。「もう、調合 してあります。ただでいいです。お代はいただきません」  店主は、微笑ほほえみを浮かべた。「もう、すでに確認しました。コーヒー が沸く前に、あなたはそれに値すあたいると。申し上げたように、それはただ です。ただし、解毒げどく剤は、少々値ねが張はります」  サングストロムは、青ざめた。しかし、このようなゆすりや恐喝はきようかつ予 想ずみで、ポケットから拳銃を抜いた。  小鬼の店主は、くっくっと笑った。「あなたは拳銃を使いませんよ。 解毒げどく剤をここからさがせますか?」手でビンの棚を仰あおいだ。「何千とい うビンの中から、猛毒がきいてくる前に?あるいは、私がほんとうは毒 を盛ってないのにそう見せているだけだとお思いなら、どうぞ撃うってく ださ
ユスタックウィバーの短い生涯2 /FB3/Weaver2/
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 ユスタックウィバーの短い生涯2  原作:フレドリックブラウン  アランフィールド    プロローグ    ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気 分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。 予想もしない大金持ちになれるだろう。  必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見 てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。  株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持 ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら なかった。   2 1  1    ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー プ
八甲田 歩のスペースドライバー日誌 /RM/SpaceDriver/
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「ドンキに来ましたけど」 16 15 「前に停めて!」 「あ、おじぃさんが、おじぃさんが」 タクシーの群れの前を、よろよろと。 「あはははボケのタイミングが後ろにずれまくってて、おもろいわぁ」 18 17  飯倉町五丁目 「歌舞伎町の風林会館まで!」ホステス2人を連れた会社員ふうの男性 2人。 「う~ん、この写真は、やばいんじゃないの?」と、助手席に座った男 性。運転者証をはずして眺めていた。 「暗いというか、なんというか、自分で撮ったの?」 「暗い方が、影があって、いい男に映っているかも?」若いホステスの ひとり。 「それにしても、この写真は暗すぎる!運転手さんはハタチくらい?」 「ハイ、27です!」 20 19
ザ・オフィス /FB5/TheOffice/
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借り方に項目を記入したり、自分の勇気を知るためだけに ファイル係のステラクロスターマンをデートに誘ったりするようなやつ。 研磨剤10パウンドと半ガロンの接着剤を借り方に記入してから、台帳 から顔を上げて、オフィスの奥で、ステラがファイルキャビネットの下 から2番目の引き出しに腰を曲げているところへ目をやった。  ステラは、ほどよく肉付きのよい、すばらしい体をしていた。顔は別 の方を向いていたが、マーティは彼女が温かい茶の目をして、ときど き涙でかすむことを知っていた。髪は肩までのショートヘアでやはり温 かい茶だった。彼女は背が高く、ふつうのハイヒールでは、目の高さが ほとんどマーティの背の高さだった。ときどき彼が少し不快に思い悩む のは、夜に高いヒールをはいてきたら、彼より背が高くないように見せ られるかどうかだった。また、ステラはまだ背が伸びるのではないかと 悩んでいた。いや、そんなことはないと彼は考えた。彼女は19だし、 19になったらふつうはもう背は伸びない。少なくとも、彼、マーティ は、17で背が伸びるのが止まった。17から20才のあいだ、もう1 インチか2インチ、背が伸びないかと虚しい望みをかけながら、注意深 く背を測ってきたが、1年前に彼はあきらめた。  さらに2つの項目を記入すると、ふたたび目を上げた。ステラは今は 一番下の引き出しに体を曲げていて、スカートが数インチめくれて、巻 き上げたシルクのストッキングの上1インチか2インチ、滑らかなオリ 12 11 ーブ色の肌が見えた。  それは、マーティには興味があるところだったが、気にしていいのか 悩むところだった
サアルバの国 /FB1/DeathOnTheMountain/
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山を 下りた。市場へ行き、人々に話しかけた。しかし、誰も彼とは話しをせ ず、彼を見ようともしなかった。彼は、叫んだが、誰も答えなかった。  彼は、市場にいるひとりの女性の肩にふれて、注意を引こうとして、 手をのばしたが、彼の手は、女性の肩を素通りして、女性はそのまま歩 き去った。彼はそのとき、自分が、この1年のあいだに死んだことを 知った。  彼は、山に戻った。途中、彼が、かつて、そこで飛び降りたり、のぼ ったり、歩いたりした、あるものが横たわっているのを見た。小屋のド ア口に着いて、振り返ると、彼が通り過ぎた、あるものを、谷の人々が 運んでいるのを見た。彼らは、地面に穴を掘り、あるものを、埋葬した。  数日が、たった。  小屋のドア口から、彼は、山のそばを漂う雲を見た。雲は、奇妙な形 8 7 をしていた。その形は、時々刻々変化し、鳥であったり、剣であったり、 象であったりした
地球人は出ていけ /FB1/KeepOut/
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接種後、決まった期間内に妊娠した子どもに作用 するのだ。この薬は、その子どもに対して、徐々に変化、いかなる変化 にも適応できるほとんど無限の適応能力を与えた。  ウェイムース博士は、オスとメスのペアのモルモットに接種して、2 匹を結婚させた。5匹の子どもが生まれたが、それぞれの子どもを徐 々に変化するさまざまな環境におく実験を行って、驚くべき結果を得た。 8 7 モルモットの子どもたちが成熟したとき、1匹は、マイナス40℃で快 適に生活し、別の1匹は、66℃以上で、完全に順調だった。3匹めは、 通常の動物にとっては、致死量の毒を含む食事で、よく育ち、4匹めと 5匹めは、両親のどちらか一方でも数分で死んでしまうX線被爆下で、 ふつうに生活していた。  その後の多くの動物実験が示したことは、同じ条件のもとで適応した 両親から生まれた純正の子孫は、誕生時から同じ条件のもとで生きる能
ユスタックウィバーの短い生涯3 /FB3/Weaver3/
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すぐに町を出て、犯罪が行われるときには、千マイ ル離れていなければならない。  2時間後には、サンタアニタ競馬を目指してロサンジェルス行きの飛 行機で、考え事をしていた。ユスタックウィバーが予想できなかったこ とは、未来に行って戻ってくると、それがなんであれ、まだ起こってな いことなので記憶にはないということだった。  しかし、紙幣は持ち帰れた。つまり、自分へのメモを残すなり、新聞 の競馬や株価のページを持ち帰ればいい?これはいけそうだった。 4 3  2    ユスタックウィバーは、ロサンジェルスのダウンタウンでタクシーを 拾い、高級ホテルにチェックインした。もう夜遅かったので、待ち時間 をなくすため、翌日にジャンプしようと考えたが、あまりに疲れて眠い ことに気づいた。ベッドへ行き、つぎの日のお昼までぐっすり眠った。  翌日のタクシーは、フリーウェイで渋滞に巻き込まれて、サ
SFミステリー ライトノベル風 /CO/cmt/
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探検隊 /FB3/Expedition/
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「船長は、鉄腕マクソンと呼ばれています。なぜそう呼ばれて るんですか?」 「そこはこれから述べます。火星探検隊のことは、低学年でも聞いてい るはずですが、詳しくは聞いてないでしょう。あなたたちは、もう聞い てもいい年齢になっています」 「火星植民地計画の長官は、2つの宇宙訓練校の卒業生から男女に関 係なく、くじで決めると宣言して、論争に終止符を打った。男子校の卒 4 3 業生は500人で女子校の卒業生は100人であったから、長官は、2 5人の男と5人の女の構成比を支持していたように思えた。確率法則で は、くじの結果は、5対1の男女比になるはずだった」 「しかし、確率法則は、試行を無限におこなった場合の話で、1回の試 行ではどうなるかは分からない。くじの結果は、29人の女が勝ち、男 で勝った者は、ただひとりであった」 「くじに勝ったもの以外の全員が大声で抗議したが、長官は耳をかさ
ケンタウロス /FB1/HorseRace/
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名前か座標で 調べれば、すぐ、わかるように━━━小惑星帯があります。太陽系にあ るものと似ていますが、ずっと、大規模です。ふたつの惑星の公転軌道 の中間に、かつてあった、巨大惑星が崩壊した残骸ざんがいです。  ふたつの惑星には、鉱物資源がそれほど多くはありませんが小惑星 4 3 帯には、豊富な鉱物資源があるため、両惑星のおもな供給元になってい ました。100年前に、鉱物資源をめぐって、戦争が始まったため、銀 河連邦が仲介して、人族と馬族のあいだに、ある協定を締結させて、戦 争を終わらせました。  その協定は、両民族ともに、それぞれの1個人が、その生涯にわたっ て、小惑星の1つを、ただ、1つだけを所有できるというものです」 「ああ、そのことなら、銀河連邦史で読んだことがあります」 「そうですか。その後、問題が発生したらしく、人族の方から、連邦に、 馬族が、協定違反をしているという
ブラックジョーク /FB4/Joke/
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それ自身 14 13 は転がらなかった。はっと驚くような人生のような、複雑な顔をしたマ スクだった。大男は言った。「これは、高価なゴム製でいろんな複雑な 表情をしたマスクさ。これを付けてみてもしもそれがフィットしたら、 それはあんた自身の状態を表している。しかしまったく似合ってなかっ たら、それは本当のあんたを隠そうとしているからさ!顔を近づけてみ れば、本当のあんたでないことが分かる。年がら年中、コスチューム商 品の売り手になったようなもの、毎日がハロウィーン!」 「本物に見える」と、バーテンダー。 「靴を考えてみてくれ!いろんな靴をはくことはできる。しかし本当に 合った靴というのはごくわずかだ。これは、ファンシーダン製、いいだ ろ?また、もう一杯づつ注ついでくれ!」  彼はマスクをまた丸めると、ポケットにしまった。ジュークボックス は2曲目を終えた。彼は25セント入れて、ふたたび「天使とデート」 のボタンを押した。しかし今度は、曲が始まるまで待ってから口笛を吹 いたので、キーを間違えることはなかった。  バーカウンターに戻ってくると、しゃべり方が変わった。「天使とデ ート、
悪魔のジョーカー /TZ/DealersChoice/
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そうさ」と、ピート。「ポーカーをやりたいんなら、ちゃんと、 名乗れよ!闇の王子です、とかなんとかさ」 「悪かった、心から謝る。金は、返すよ。必要だろうからね━━━」  3人は、謝罪に、少しホッとした。 「ひとりは、別だが━━━」  3人は、互いに、顔を見合わせた。 「そのひとり、とは?」とピート。 「察してくれ!」ニックは、言いにくそうな顔をした。  3人は、また、不満の声を出した。 「悪魔だからって、もったいぶるなよ!」と、ジミー。 「ピートのパーティで」と、トニー。「迷惑かけた、ジミーか?」 「あのときの女全員に、新しい靴を贈っている!」  トニーとジミーは、ピートを見た。 「オレが、怒鳴り散らしたせいで」と、ピート。「嫁は出ていったが、 だからって、殺すことはないだろ!厳しすぎるぞ!」 18 17 「妥当なとこ、だな」と、トニー。 「黙れ!」 「なんだと?」 「落ち着いて!」と
ノヴァリアン試用版 /novelyan/guestroom/
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(ニックネーム欄に、メールアドレス明記必須。) この表示は、Microsoft Windows以外では、横書きの表示に、 Microsoft Windowsでは、縦書きの表示になります。 5. 印刷用をクリックして、ブラウザで印刷できます。 この表示は、Microsoft Windowsでの、縦書きの印刷用表示です。 それ以外のOSでは、横書きのまま行が重なるなどして、読めません。 6. 画像をアップロードできます。 画像の表示には、画像コマンドを使用します。 画像コマンドについは、画像コマンドの説明をご覧ください。 画像のアップロードや削除は、ゲストルームでは、できません。 ユーザの方では、合計ファイルサイズ6MB(40KBの画像ファイルなら150個、 1KBのgifファイルなら6000個くらい)までで、 ファイル数に制限はありません。 アップロードされた画像ファイルは、 画像エリアにその名前で格納されます。 ファイル名に日本語は、使用できません。 トップページ中央上のメイン画像や各タイトル画像は、 画像エリアにアップロードした、 お好きな画像(gif/png/bm
おばばのバースデイ /FB3/GrannysBirthday/
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ハンクは青ざめた顔で立ち上がった。 「死んでいる」と、ハンク。「そんなつもりじゃ━━━」  おばばは、もう笑顔ではなかった。声は鋭く高音になって、気難しい 態度になった。 「彼がはじめに手を出したのよ、ヘンリー」と、おばば。「わしは見て たよ。ここにいるみんなも見てたよ。そうだよねみんな?」  おばばは言い終わらぬうちに、体の向きを変え、威圧的にウェードス ミスを見た。彼が生き残った最後の部外者だった。 「私は━━━最初から見てなかったんです、ミセスハルペリン」 「おまえは見ていたよ」と、おばば。ぴしゃりと。「ちゃんと見ていた よ、ミスタースミス!」 6 5  3    ウェードスミスが答える前に、ハンクハルペリンが言った。 「おばば、すまない」と、ハンク。おばばは答えなかった。「困ったこ とになった。オレは、7年間プロのリングに立っていた。ボクサーの拳こぶし は、元ボクサーであ
“スペーステロリスト”ターナロス /ST/DS9_1_1_2/
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と、シスコ中佐。 「ご存知でしたか?」 「クリンゴンの最高評議会を支配しようとして、内戦を引き起こした連 中だ。その後、姿を消していたが」 「保安記録を調べました。クリンゴンの危険人物リストに載っていまし たよ」 「再起のために資金稼ぎをしていると噂に聞いたが、何をしにここへ?」 「さあクワークの店にいますが、ギャンブルはしてませんね。ふん、 食事するでもなし、ただ、ずっと、座っています」 「不審だな」 「いっそのこと、捕まえてクリンゴンに突き出しては、いかがでしょう か?」 「オドー!」 「最高評議会を敵にまわしているんでしょ?」 「ここで法を犯したわけじゃない、無実のものに手は出せない」 「カーデシアがここを治おさめていた時なら、ああいう連中は、排除した」 32 31 「目を離すな!」 「もちろんですよ、司令官」    ◇    ディーエスナインの夜、ガラックは、クワークの店にいた
死の手紙 /FB3/DeadLetter/
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おまえ の名前は永遠に地に堕おちることになるからさ」  ラバティは、引き金を6回引いた。    2    ラバティは、車に戻り、運転して帰る途中、橋の上から拳銃を捨て、 アパートに帰るとすぐ寝室へ行った。  よく眠っていたが、ドアベルで起こされた。バスローブを引っ掛けて 玄関のドアをあけた。  彼の心臓は立ったまま止まり、そのままだった。 4 3  3    ラバティのドアベルを鳴らした男は、驚いてショックを受けたが、正 しいことをした。ラバティの体をアパートの中に運び、警察と救急車に 電話して待った。  救急隊員は、ラバティが死んでることを確認し、男は警部補に質問さ れた。 「きみの名前は?」と、警部補。 「バブコック、ヘンリーバブコックです。ミスターラバティに、手紙を 手渡すよう頼まれてました。この手紙です」  警部補は、手紙を受け取り、一瞬ためらったがすぐにあけた。 「なぜ、
ロープ魔術 /FB3/RopeTrick/
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市街地の大半を半 日かけてゆっくり見たあと、夕方までそこで過ごすことにした。  ふたりは、バザールに来た。  そしてそこで、ヒンズー教の行者のロープ魔術を見学した。よくある インドのロープ魔術━━━少年がロープを登ってゆくような大規模なも のではなく、ずっとシンプルだった。  行者は目の前のトグロを巻いた短めのロープの前で、フラジォレッ トでシンプルな音律をなんども吹くと、徐々にロープが登りはじめ、最 後には垂直になった。  エルシーダネルは、これを見て、いいアイデアを思いついた。  エルシーは、ジョージとホテルに戻ってディナーのあと、ジョージが いつものように9時にベッドに入るまで待った。  それから、ホテルの室を出ると、タクシーと通訳を見つけて、バザー ルへ戻り、さきほどの行者のところへ行った。エルシーは、通訳を通じ て、フラジォレットを買った。そして、ロープ魔術のシンプルな音律の 吹き方をお金をだして教えてもらった。 4 3
アリスのルッグラン /LC/AliceLooking/
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 ◇   「カラスは、飛び去ったんだわ!」と、アリス。思いついて。「飛び去 ってくれて良かった。もうすぐ、夜になるわ!」 「楽しんでもらえたでしょう」と、白の女王。「やり方は知りませんが あなたは、この森に住めて、とてもラッキーです!好きなだけ、楽しん でください!」 「ここでひとりなんて、あまりにさびしいわ!」と、アリス。悲しそう に。大つぶのなみだが、2つ、ほおを伝って落ちた。 「そんなに悲しそうにしないで!」と、白の女王は叫んだ。自分の手を こすり合わせながら。「自信を取り戻しなさい!ここまでの長い道のり を思い出しなさい!今、何時か考えて?とにかく、なにか考えなさい、 泣かないで!」  アリスは、思わず、笑ってしまった。「そんなこと考えてたら、泣く ひまないわ!」 「それが、ねらいよ!」と、白の女王。「だれも2つのことを、同時に 考えられない。あなた、お名前は?今、いくつなの?」 「アリスです。7才半。ちょうど」 「『ちょうど』はなくても、信じます。わたしのことを言うと、あと、 5ヶ月と1日で、101才です」 122 121 「信じられません!」と、アリス。 「どうして?」と
ボディスナッチャー /SY/BodySnatcher/
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いるのか?ハロー!」  ジェフリーは、なにも言わずに、電話を切り、受話器を脇に置いた。  マシューは、かけ直したが、つながらないので、歩き出した。 「どこへ?」と、ナンシー。 「エリザベスが、危ない」 「わたしたちは?」 「ギブナーに来てもらえ!これが、番号だ」  マシューは手帳の紙を、ナンシーに渡して、出て行った。 「どうしたの?」と、ナンシー。 「疲れた」ジャックは、イスに座った。 「立って!歩いて!」ナンシーは、ジャックを無理やり立たせた。 「のどが渇いた」 「水を持ってくるわ。眠らないで!」  雨の中、マシューは、車を走らせていた。サイレンを鳴らした、オー トバイとすれ違った。 「これを」と、ナンシー。水を差し出した。 「ありがとう」と、ジャック。ベッドに座っていた。 「ギブナーが来るわ」 「また、ギブナーか━━━ちょっと、横になって、考える」 66 65  ジャックが、横に
チャンスふたたび /FB3/SecondChance/
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昔のスコアや写真、フィルム、そのほかの資 料が徹底的に研究された。彼らは、見かけが同じでオリジナルプレイヤ ー通りにプレイするだけでなく、技術的にも同じで、元の選手よりうま くならないよう調整されていた。彼らの試合は、年間試合でなく、ワー ルドシリーズの年1回のみで今回は、そのセミミレニアム記念だった。 しかし、もしも彼らが年間を通じてフルシーズン戦っても、平均スコア はまったく同じ、ピッチャーの勝率もやはり同じになっただろう。 4 3  2    理論的には、スコアは元の試合とまったく同じになるはずだが、もち ろん、破られることもある。監督やコーチが━━━やはりアンドロイド だが━━━違うサインや指示を出すこともあった。元のワールドシリー ズで勝ったチームが、通常ならまた勝つが、試合数が同じとは限らず、 スコアも時として元のスコアと大きく違うこともあった。  この試合も、2イ
ナイトゥアンディ /SY/KAndDy/
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いい腕だ!その ドレス、式で着る服?」 「ええ」と、ジューン。 「土曜だっけ?楽しみだな!」 「ああ!」と、ジューン。ハイウェイの上のレーンから、銃を持った男 が2人現われた。  ロイは、装填していたマシンガンを撃って2人を倒した。 「お願い!」と、ジューン。「人を撃つのはやめて!ね、もう、人を 撃つのは、やめて!」 「分かった!」と、ロイ。「ショックだよな」  ロイは、立ち上がった。 「じゃ、きみは、ここにいろ!」と、ロイ。「ぼくは、あっちで、あい つらと話してくる!いいね?ほんとは、少し撃つけど、すぐ、戻る」  ロイは、行きかけて、戻ってきた。 「ところで、さっきドアをあけたタイミングは」と、ロイ。「絶妙だっ 60 59 た。あれがあったから、助かった。きみのおかげだよ!」  ロイは、マシンガンを撃ちながら、ひっくり返った黒のセダンに向か っていった。  ジューンは、立ち上がると
アリスのアンダラン /LC/AliceUnderGround/
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そして、アリスが聞いたこともないような声が続いた。「私はここで す!リンゴを掘ってます!」 「本当です!リンゴを掘ってます!」と、ウサギ。怒おこった声で。「早く 来て、ここから出してください!」また、ガラスの割れる音。 「窓から出ているのは、なんです?」 「たしかに、腕ですね!」(ウサギは「う~で!」と発音した) 58 57 「1本の腕!ガチョウか!こんな腕があるもんか!窓いっぱいで、自分 で見ることもできない!」 「たしかに腕だ!1本の腕だ!」 「関係ない!どこかに行ってくれ!」  このあと、声はしばらく止んだ。それから、ささやくような声。 「たしかにイヤだ!嫌いだ!絶対に!ひきょうもの!」  アリスは、また、空中に腕をのばして、なにかをつかもうとした。2 回叫び声がして、ガラスが割れる音。 「キュウリハウスはいくつあるのかしら?」と、アリス。自分に。「次 は、なにをしてくるか?
いつもふたりで /SY/TwoForTheRoad/
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 ジョアンナは、大喜びで、りんごをマークの口へ。 「ピルよ」と、ジョアンナ。「ハンバーガーピル!」  マークは、ぶどう酒のせんを抜いた。    ◇    ランチをとる、花柄のドレスのジョアンナと、グレーのスーツのマー ク。  ポーターは、ワインをそそいでテーブルに置いた。  マークは、黙って、ワインのグラスを上げた。 「会話なく、座ってる、ふたりとは?」と、ジョアンナ。 「ご夫婦さ」と、マーク。    ◇   90 89  メイドが、豪華なつくりの室へ入ってきた。  マークは、イスで、雑誌を読んでいた。  ベッドに、ジョアンナ。  マークは、指を口にあてて、静かにという仕草。  メイドは、そっとして、出て行った。テーマ曲が、スローテンポで聞 こえた。  マークが、シーツをめくると、カップやら缶詰やパンが、出てきた。 ジョアンナは、バスローブのまま、ぶどう酒をがぶ飲みした。 「缶詰のサー
聖フランチェスコ /SY/SunMoon/
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 聖フランチェスコ  原作:ジョヴァンニディピエトロディベルナルドーネ  フランコゼフィレッリ、  リナウェルトミューラー  スーゾチェッキダミーコ、ケネスロス    プロローグ                   2 1    ◇    1              (つづく) 4 3
ジバゴ /SY/Zhivago/
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嫉妬しっとする━━━」 118 117 「やめて、ジバゴ!」と、ラーラ。「お願い、それ以上、言わないで!」  こげ臭いので、下を見るとアイロンの手を止めたせいで、シーツが こげていた。 「もう、あなたのせいよ!」と、ラーラ。こげたシーツを手に、ユーリ に言った。 「ユーリ。わたしたち、半年間、いっしょにいたけど、奥様に言えない ようなことは、なにもなかった。わたしのことで、ウソをついてほしく ないの。わかってくれる?あなたは、分かるわよ!」ラーラは、アイロ ンがけを続けた。    ◇    野戦病院。荷物がすべて運び出され、人々は、出口に向かった。 「もう、出発だぞ」と、兵士。「いそげよ!」 「故くに郷に帰るのか?」と、ユーリ。 「いや、おれの行き先は、ペトログラードだ。赤衛軍に入る」 「奥さんは、どうするの?」と、ラーラ。 「女は待つもんだ。がまんするさ。よし、それじゃぁな、先生」
アボミっぽい /FB3/Abominable/
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 彼は、がんばって登り、今や、万年雪のある高さへときた。登山の装 備以外に、重たいライフルを持ってきた。それで、つい最近、ベンガル でトラを撃った。 「トラを殺せたのだから」と、彼は考えた。「スノーマンも殺せるだろ う」  雲のラインに近づくと、雪が渦巻いた。突然、12ヤード先に、それ が彼の視界の限界だったのだが、モンスターのような、あきらかに人 間でないものの影が、チラっと見えた。シャウンシー卿は、ライフルを 構え、撃った。影は、倒れ、落ちていった。数千フィート下の岩棚へと、 落ちていった。 6 5  2    撃った瞬間に、腕が、背後から、シャウンシー卿をはさみ込んだ。太 く、毛だらけの腕。片方の手が、楽々と、彼を抱きあげ、もう片方の手 が、彼からライフルを奪い、つまようじのように、簡単にL字型にする と、投げ捨てた。  彼の頭の上、2フィートのあたりから、声がした。
終わり良ければ /FB1/HappyEnding/
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やかましい夜だった。月光の下、 高く飛びながら轟音ごうおんをあげるジェット機の機体や、海の黒の水面に浮か ぶ機影があった。それらの飛行機やロケット、ジェット機は、都市を破 壊し、鉄道をただの曲がった鉄にし、稼動していた工場に、水爆を落と した機体だった。  彼は、それら夜空の機体にむかってこぶしをあげ、大声でのろった。  叫ぶのをやめると、海岸に別の声がした。コンラッドの声だった。そ の声は、ある日、コンラッドが官邸にやって来て、白い顔をして、敬礼 26 25 も忘れて、こう言った日のことを思い出させた。 「デンバーが突破されました、ナンバーワン!トロントやモンテレーも 危険です。他の都市においても」コンラッドの声は、うわずっていた。 「マルスd星人と月の反逆者たちは、アルゼンチンに侵攻しました。ニ ューペトログラード近郊にも上陸してます。敗北です。すべて敗北です !」 「ナンバ
バーニングマン /TZ/TheBurningMan/
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若い肉体が現われて、言うんだ。ギラギラした目で、夏を 味わおう、と」 「なに?」 「夏を楽しむのさ!木を見てみろ!いい、夕飯ゆうはんだ。あっちに広がる草原 は、最高のごちそうだな。朝食には、ヒマワリがいい。屋根のタール紙 は、昼食だ。湖のそばの家には、ワインもあるぞ。ゴクゴク飲みほして 心行くまで楽しんだら、体が真っ二つになる」  ダニーのひとり舞台に、ローリーもアンドレも、あきれた顔をした。  車は、タイヤ交換を終えて、走りだした。 「なんだか、のどが、かわいた」と、アンドレ。 「のどがかわいた、って?甘いな!」また、前の座席に身を乗り出して きた。「50年以上も、暑い地中にいた男を、想像してみろ!生きられ 8 7 るのは、1日だ。のどのかわきも、激しいが、腹も、ぺこぺこだ。木や 花どころか、丸ごとケーキや、ぶ厚いステーキだって、食える。腹がい っぱいになって、満足したら、ぶ
アンドロメダⅡの来訪者 /FB/AllGoodBems/
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ドロシー」 「いいアドバイス、ありがとう」と、ドーベルマン。「ぼくたちは、き みたちの親切に、多少、甘えてはいるけど、無理なお願いをする気はな いよ」  ドロシーは、ドアをあけ、ウシはのっそりと中へ入ってきた。  ウシは、エルモを見た。「ハイ、マック!ごはんは、なんだい?」  エルモは目をとじた。  ドーベルマンは、ウシに訊きいた。「ファイブは、どこだい?きみは、 20 19 会ったかい?」 「ああ」と、ウシ。「すぐ来るよ。さっき、変なやつに会った。こいつ らは?」 「ズボンをはいてるのが、作家で」と、ドーベルマン。「スカートをは いたのが、ワイフさ」 「ワイフって?」と、ウシ。彼は、ドロシーを見て、ニヤニヤした。 「おらは、スカートの方がいいな。ハイ、ベイビー!」  エルモは、イスからとび上がって、ウシをにらみつけた。「よく聞け ━━━」それだけ言うと、エルモは、急に、笑い出した
オールウェイズ /SY/Always/
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 オールウェイズ  原作:デイビットベームチャンドラースプレイグ  ジェリーベルソン    プロローグ          ◇   2 1  1            (つづく) 4 3
屋根の上の少女 /TZ/IfSheDies/
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と、ポール。 「屋根の上ですって?見み間違まちがいでは?」 「確かに見た!」 「子どもたちは、みんな、出ていきました。施設が閉鎖されて」 「施設?」 「児童養護施設でしたが、来週、取り壊されることに。子どもたちは、 新しい建物に移り、ここには、いません」 「でも、確かに見ました。落ちるのではと心配で━━━はっきり、見 たんだ」 「勘違いでしょう。まぁ、自由に、ご覧になって!ガラクタばかりだけ れど、使えそうなものがあれば、お買い求めを!」 「はい?」 「慈善バザーです」 「物を買う気分じゃない」  ポールは、施設の遊び場に広げられた、イスやらベッドやら物入れの 12 11 間を通って、車に戻ろうとした。振り返ったときに、ブランコに、白の 長い服の少女がいるのに、気づいた。  少女は、慈善バザーのひとつの品物を、指さした。そこは、カバーで 覆われていた。目をブランコに戻したときには、少
アンラッキー /FB1/Unfortunately/
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しかし、紙と鉛筆でおこなわれる 必要がある。というのも、彼らには、発声や聴覚のための、いかなる器 官もないからだ。彼らは、地球言語の読み書きを、かなり、流暢りゅうちょうにこな す」  ラルフNCー5は、なにが食べたいか、考えただけで、口に唾液だえきがあ ふれてくる気がした。なにしろこの2日間は、まったく、なにも食べ ていなかったからだ。その前の5日間もわずかしか食べていなかった。 1週間前に、兵站へいたん部が食料を補充しなかったことに、初めて気づいたか らだ。  ごはん、すばらしいごはんが、心の中に、いろいろと浮かんでは、消 えた。  偵察艇が着陸すると、アルクトゥルス星人は、10人あまり━━━た しかに、彼らは、ヒューマノイドではなかった。12フィートの背丈で、 6本の腕、肌は、明るい赤紫あかむらさきだった━━━彼に近づいてきて、リーダー 4 3 がおじぎをして、紙と鉛筆を手
葬送曲 /FB3/Recessional/
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平原のはるかかなたで戦いが起こり、王を守るためにわれわ れが整列したときだった。  それは、司教の邪教の始まりでしかなかった。司教は1つの神を信ず るのをやめ、いっしょにゲームをプレイする神々を信ずるようになった。 神々はわれわれを人間として扱いもせず、戦う動機もわれわれのもので はなくわれわれは、無用な戦いにくり出された操りあやつ人形に過ぎないと 信じていた。さらに悪いことに━━━なんというバカげたことだろう! ━━━ホワイトはかならずしも善ではなく、ブラックはかならずしも悪 ではないという。宇宙のスケールから見たら、どちらが戦いに勝とうと 問題ではないという。 4 3  2    もちろんこれは、私にだけしかも囁かささやれたものだった。司教は心の安 らぎをのぞんでいたのであって、彼の言ったことは彼の意思ではなかっ たのだ。  忠誠心がなければ、われわれはなにものでもない。チ
ナスティ /FB3/Nasty/
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「もちろん、願いさ」と、ナスティ。「よし、おまえに1つ叶かなえてやろ 4 3 う。しかし、3つじゃない。3つの願いなんてのはただの迷信さ。叶 えられるのは、1つだけ。好きになれんかもしれんが」 「1つで、十分です。好きになれないなんて、とんでもない!」 「そのうち、分かるさ。よし、おまえの願いは、知っている。ここに、 その答えがある」  ナスティは、手をのばして、空気が希薄になったところに入れると、 手が消えた。そして、手を戻すと、銀の水泳トランクスを2つ持ってい た。 「健康のために、2つとも着るといいよ」と、ナスティ。ビュレガード に、差し出した。 「なんです?」 「なんに見える?水泳トランクスさ。しかし、特別製。素材は、今から 数千年先の、未来のものでできている。けっして破壊されることがない。 すり減らないし、裂けないし、切れることもない。すばらしい素材さ。 しかし、使わ
殺人レッスン /FB4/Lesson/
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ニックは、20ドルの中折帽を頭の後ろに傾けると、どんなウソでも 見抜けそうな目でスティンキーエバンズを見た。 「年齢と しは?」と、ニック。 「20はたちです」と、スティンキー。 「ムショにいたのか?」その返事を待たずに、続けた。「ああ、答えた くなかったら答えなくていい」  スティンキーは、頭を振った。 「名前は?」と、ニック。 「デューク」とスティンキー。意を決して。「デュークエバンズ」 「オーケー、デューク!しばらくは、ボールを並べていてくれ!」と、 ニック。「慣れたら、別のことも頼む。うまくやっていこう!」  デュークは、ビリヤードテーブルに戻った。デュークは、ニックチェ スターを見ていた。そして、自分がなにをしたいのかに気づいていた。 襟えりに白のカーネーションをつけたスーツを着て、高い葉巻を吸い、うつ ろだがなんでも気づいている目で、ポケットには札束。  力が必要だった。そのために働き、盗みもし、いつか━━━。  地獄でうれしそうな笑い声がしたのは、たぶん、このときだったのだ ろう。もちろん、地獄があったとしての話だが。物事はスムーズに運ん でいた。このとき、小さな赤の悪魔はボスに報告したに違いない。 16 15
青の悪夢 /FB3/NightmareInBlue/
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4 3  2    トミーは、階段まで出てきた。トミーにとって、服を着るとは、水泳 トランクスを2枚はくことなので、すぐだった。 「ダディ!」とトミー。「朝食の前に、湖を見ても、いいでしょ?」 「もちろん!」と、ジョージ。空腹でなかったし、たぶん、ウィルマが 起きるころには戻れるだろう。  湖は、美しかった。青空よりもっと碧あおい青だった。湖面は鏡のように 滑らかだった。トミーはうれしそうに湖に飛び込んだ。 「トミー!」と、ジョージ。「浅いところにいなさい!泳いでいっては ダメだよ!」 「ぼくは大丈夫、ダディ!泳ぎが得意なんだ」 「ああ、そうだけど、ママが来るまでは、近くにいなさい!」 「水は、あったかいよ、ダディ!」  遠くで、魚が跳ねた。朝食のあと、釣竿つりざおをもってきて、ランチのため の魚が釣つれるか試してみよう。  話では、湖沿いに道があって、2マイルのところにレンタルのボート 屋があるそうだ。ボートを1隻1週間レンタルして、ここにつないでお こう。ジョージは、そのボート屋が見えないか、湖の端はしまで目をこらし た。 6 5
ミットキーふたたび /FB1/MitkeyRidesAgain/
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ロケットを発射台に運んだ。注意 深く、所定の位置に合わせ、スターターピンを点検した。すべて、異常 なかった。  10分前だった。ねずみを、連れてこよう。  白いねずみは、木製のケージで眠っていた。  オッペルバーガーは、ケージの中に、注意深く、手を入れた。 「さて、ホイットニーこれから、長い、長い旅に行くんじゃよ。かわ いそうな、小さなねずみよ、できれば、起こさないようにしよう。スタ ートの号砲で起されるまでは、眠っていなさい」  静かに、そっと、静かに、教授は、眠り続ける荷物を、庭に運び、ロ ケットの個室に入れた。 42 41  3つのドアが、しまった。内側のドアと、バルサ材の格子と、外側の ドア。バルサ材の格子以外は、ロケットの着陸時に、自動的にひらき、 送信機は、ねずみが、バルサ材をかじって、外へ出ようとする音を拾っ て、送信することだろう。  もしも、月に大気があれば。もし
失われた文明1透明人間 /FB3/Discovery1/
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服はいっしょに透明にはならなかった。 4 3  2    プレーターは、正直な人間だったので犯罪は考えなかった。英国に 戻り政府に発見を提供し、スパイ活動に使用してもらおうと決めていた。  しかしその前に、自分の楽しみのために使ってもいいのではないか? いつも興味があったのは、宮廷に隣接したサルタンのハーレムで、ここ は厳重に警備されていて、中がどうなっているのか、見てみたかった。  それに、なにか分からないが、発見について気になることがあった。 なにかの条件下では、ある状況が━━━あまりはっきりしなかった。  プレーターは、服をぬぎ、完全に透明になった。そして歩いて、いと も容易に、武装した宦官かんがんをすぎて、ハーレムに入った。50人あまりの 美女たちが、フロに入ったり全身に香油や香水をていねいに塗って、美 を保つために昼間の時間を使うのを眺めながら、楽しい午後を過ごした
ギーゼンスタック家 /FB1/TheGeezenstacks/
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だれかに話したりしなか ったかい?」 「まったく、ありません。ピートとエイミーのことは、きのう手紙をも らうまで、なんか月も考えてもいませんでした。1週間、滞在してほし いそうです」 「たぶん、3日で帰ってくるよ」と、サム。  リチャードが、じっさいに、3日で戻ったときサムは、理由を説明 しなかった。サムが、リチャードがどのくらい滞在するかを知っていた のは、ギーゼンスタックおじさんがなん日いなかったかを知っていたか らだ、というのは、あまりにバカげた理由に思えたからだ。  サムウォルターズは、オーブリーを、なにげなく、監視するようにな った。そして、不思議に感じていた。オーブリーは、もちろん、ギーゼ ンスタック家で起こることがなんであれ、彼女自身が、そうさせている ことだった。可能性として、オーブリーに、超自然的能力があって、ウ ォルターズ夫妻やリチャードに起こるできごとを予知して、無意識に、 そうさせていることはないだろうか?  サムウォルターズは、もちろん、予知能力を信じていなかった。オー ブリーに、予知能力があるのだろうか? 「ギーゼンスタック夫人は、きょう、お買いものにゆくのよ。新しいコ ートを買うつもりなの」 20 19
囚人のピアノ /TZ/TheConvictsPiano/
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1917 年の作品か。よし!」  今度は、左手から始まった。軍隊の行進曲ふうで、左手は、軍靴の音 だった。第一次世界大戦に参戦した時の曲だった。軽快なリズムが出て くると、歌声が聞こえてきた。 「戦鼓せんこを鳴らして、やってくる。だから、備えろ、さぁ、祈いのれ!皆に伝 えろ、用心せよと」  リックは、酒場のピアノを弾いていた。ハンチングハットに、茶のベ ストに赤いネクタイだった。 「我らは、海を越えて、やってくる。やり遂げるまで、戻りはしない。 向こう側へ、向こう側へ、皆に伝えろ、向こう側へ」  酒場では、軍服姿の軍人たちが、歌ったり、ビリヤードをしたりして いた。 「アメリカ兵が、戦鼓せんこを鳴らして、やってくる」  酒場にいる女性たちも、いっしょに大声で歌っていた。 「備えろ、さぁ、祈いのれ!皆に伝えろ、用心せよ、と」 「調子は?」と、若い兵士のフレッド。 16 15 「いいよ
白の悪夢 /FB3/NightmareInWhite/
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ふたりは、3週間前に結婚したばかり で、ハネムーンの帰りだった。ふたりが別々に寝るのは、これが初めて だった━━━すべては、彼の姉のデボラが、帰り道の途中にある自分の アパートに泊まってゆくよう、バカらしい提案をしたからだ。あと4時 間のドライブで帰れるのに、デボラは譲らず、主張を押し通した。結局 彼は、1晩くらい別々に寝ても、疲れがとれて、つぎの朝新鮮な気持 ちで最後のドライブができていいかもしれないと考えた。  デボラのアパートは、寝室はもちろん1つだったので、彼女の誘いを 受けるにあたって、彼と妻のベティが寝室で、デボラが別にという申し 出は受けられないことが分かっていた。いくら愛するオールドミスの姉 からの申し出だとしても、歓待にも限度というものがあった。  しかし確かなことは、あるいは、ほとんど確かなことは、ベティは、 デバラが眠るまで待ってから、ほんの少しの時間だとしても、彼におや すみを言いに来ることだ。もしもベティが、おやすみ以上のものがほし いというのなら、デボラを起こすような音を出さない限りで、応じるつ もりだった。 4 3  2    たしかに、彼女は、
フェルマーの予想 /RM/Fermat/
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なんらかのデータベースというこ とらしいです」 4 3 「パッドに入っているテキストの最初の図形は?」とケイコ先生。 「はーい、ピタゴラスの定理です」と、ジェイク。 「そうです、直角三角形の斜辺の二乗が、他の辺の二乗の和に等しいと いうものですね。次に書かれているのが」 6 5 「フェルマーの予想と呼ばれていたもので、nが3以上だと、フェルマ ー解が存在しないという、非存在定理です」 「非存在ってなんですか?」と、ノーグ。 「先生にも、正直なところ、よくわからないわね、今日の演習でやるの は、むしろ、存在を見つけるプログラムを動かしてみるだけです。非存 在は、そこで見つからなければ、存在しないのかもしれないということ かしら?」 「次の図は、なんですか?」と、ジェイク
歩兵 /FB1/Sentry/
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 歩兵  原作:フレドリックブラウン  アランフィールド        彼は、ぬれて、泥だらけで、ひどくおなかがすいて、寒かった。しか も、故郷の星から、5万光年も離れた星にいた。  奇妙な青い太陽が、かがやいていた。重力も、彼の星の2倍もあって、 動くのも、困難だった。  1万年のあいだ、戦況は、変わらなかった。空軍のパイロットたちは、 流線型の宇宙船に、ファンシーな武器が使えて、上機嫌だった。チップ が地上にバラまかれると、歩兵めがけて、地面をはってきて、足という 足は、すべて、血で染められた。   2 1  このひどい惑星に、上陸するとは、彼は、まったく、聞かされていな かった。惑星の地表は、エイリアンたちも、そこにいるがゆえに、神聖 なる戦場だった。そのエイリアンたちは、この銀河に存在する、われわ れ以外の、唯一の知的生命体であった。冷酷で、みにくく、
ユスタックウィバーの短い生涯1 /FB3/Weaver1/
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 ユスタックウィバーの短い生涯1  原作:フレドリックブラウン  アランフィールド    プロローグ    ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気 分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。 予想もしない大金持ちになれるだろう。  必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見 てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。  株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。競馬 なら、2ドルから始めて、すぐに数千ドルにできるだろう。     2 1  1    しかし、顔見知りのノミ屋がすぐに破産してしまい、ほかにノミ屋を 知らなかったので、競馬場に行く必要があった。今やっている競馬は、 南カルフォルニアとフロリダだけで、どちらも同じ距離、飛行機代は だいたい100ドルだっ
アリスのビックリラン /LC/AliceWonder/
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手も足も違う方向にのばしていた。 「ヒトデみたい!」と、アリス。自分に。「かわいいけれど、まるで蒸 気機関車のように、シュッシュッと鼻を鳴らしている!どんどんそれが 大きくなって、もう、抱いていられない!」  アリスは、すぐに、うまいあやし方を思いついた。 「そうだヒモでしばってしまえばいいんだわ!右耳と左足をきつくし ばった。これなら、手を離しても、大丈夫!」  アリスは、赤ん坊を抱いて、家の外へ出た。 「もしも、この赤ん坊がわたしの子だったら、1日か2日できっとバイ バイするわ!赤ん坊を置き去りにしたら、犯罪かしら?」  アリスは大声を出していたので、赤ん坊は鼻を鳴らして答えた。(く しゃみとは、違っていた) 「鼻を鳴らさないで!」と、アリス。「正しい返答のしかたとは言えな 106 105 い!」  赤ん坊は、また、鼻を鳴らした。 「なにが問題だっていうの?」と、アリス。赤ん坊の
タイムマシン第1号 /FB/FirstTimeMachine/
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「たぶん、それは不可能です。過去を変えてしまうことになりますから。 よく知られている、いわゆるタイムパラドックスです。ある人が過去に 行って、自分の祖父を、父が生まれる前に殺してしまったら、その人は、 どうなるかといったような━━━」  スメドリーは、まだ、機械を調べていた。突然三人の友人から離れ、 薄笑いを浮かべて言った。 「これが、やりたかったんだ!君たちが話している間に、ダイヤルを6 0年前にセットした」 「やめたまえ、スメドリー!」と、グレンジャー博士。スメドリーに向 かってにじり寄ろうとしていた。 「博士、止まらないと、ボタンを押しますよ!止まってくれれば、事情 をお話します」 4 3  グレンジャーは、止まった。 「タイムパラドックスのことは」と、スメドリー。 「オレも聞いて知っている。そして、興味があった。オレは、自分の祖 父を殺したかったからだ。オレは、祖父をひ
失われた文明3永遠の生命 /FB3/Discovery3/
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 失われた文明3永遠の生命  原作:フレドリックブラウン  アランフィールド    プロローグ    20世紀に発見されたが失われた大きな発見の3番目は、永遠の生命 の秘密だった。  これは、はっきりしないが、モスクワのイバノビッチスメタコフスキ ーという化学者が1978年に発見した。スメタコフスキーは、どのよ うにして発見し、どのようにしてそれを試す前に有効なことを知ったの かについての記録を残さなかった。2つの理由から、彼がそれを身が凍こお るほど怖おそれていたからだ。     2 1  1    スメタコフスキーは、それを世界に発表することを怖おそれていた。自分 の政府にさえ、一度報告すれば、秘密はすぐに鉄のカーテンを漏れて、 世界に混乱をもたらすだろう。USSRはうまく処理できるだろうが、 ほかの野蛮で不道徳な国では、永遠の生命の薬は、たちまち人口爆発を
オブライエンの孤独 /ST/DS9_2_4_2/
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と、ケイコ。テーブルに、飲み物を運んできた。 「ああ、きょうは、もう、ぐったりだよ」と、オブライエン。ソファー に、座った。 「食事の前に、すこし、休む?」 「いや、ジェイクが来ることに、なってるんだ。課題を、手伝う約束で ね」 「あ、それなら、司令官から連絡があったわ。ジェイクは気分が悪い から、来られないって」 「ほんとか?さっき、会ったときは、元気だった」 「でも、子どもって、そういうものよ。きっと、学校帰りに、プロムナ ードで、変なものでも、食べたんでしょ?」 「モリーは、どうした?」 「きょうは、フレデリックソンさんのお宅に、お泊とまりよ」  オブライエンは、立ち上がり、テーブルで食事の用意をしている、ケ イコに近づいた。 「じゃあ、今夜は、ふたりきりだな」と、オブライエン。 40 39 「あ、料理が冷めないうちに、いただきましょ!」 「レプリケータが、あたためてくれるよ
暗黒の地球帝国 /ST/ENT_4_5_2/
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「なにが、起こってい る?」 「鎮静剤がききません」と、ドクター。 「では、殺せ!今、すぐだ」 「はい、喜んで」  汚染除去室のソリア人は、さらに、甲高かんだかい声を上げた。 「3隻の船が、こちらに接近中!」と、ホシサトウ。 「ドクター!」と、フォレスト。 「あと数秒で、死にます」とドクター。そして、ソリア人に。「さっ さと、死んでくれ!」  カマキリのクリスタルは、細かく砕け散った。 「フロックスから、ブリッジ。もう、この客に、煩わわずらされることは、あ りません」  フォレストは、やっと、ホッとした。 「ソリア船が、呼びかけています」と、ホシサトウ。   70 69  ◇    宇宙服の5人は、ディファイアントのブリッジに来た。 「彼が、船長だ」と、アーチャー。船長席で、赤い制服の人間が、倒れ ていた。 「首が折れています」と、トゥポル。 「ここから、リアクターを、オーバーロードで
天使が死ぬ時 /TS/TheHabit/
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中庭から発車しようとしていた。 「シスター」と、テーラー神父。車に走ってきた。「マリーをご存知、 ありませんか?」 「つい今しがた、あなたのところへ」と、シスターベロニカ。運転席の 窓をあけた。 「そうですか。どうも、あの子の問題については、私たちでは、手にお えないようです。この際ゆっくり、ご相談を━━━」 「すいませんが、マリーの問題は、あとにしてください。急ぎの用がで きてしまいましたの」 「また、お医者にいらっしゃるのですか?この2・3日、薬の量が、倍 に増えているそうですが━━━」 「シスターアンジェリカが、おしゃべりしたのですね?注意をお受けす 32 31 る時がきたら、その時は、お知らせしますよ。今日は、別の用事なので す」 「シスター!」と、シスターアンジェリカ。玄関から走ってきた。「失 礼します。ビッキーがいなくなりましたの」 「いない?」 「室に帰って、着替えを
帰ってきたカーン /ST/StarTrek2013/
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「なぜ、船は、動かない?」と、ハリソン。マッコイは、ボスプレーに、 血液を。「船長。予測しなかった、ワープコアの作動不良だろ?それで、 クリンゴン領域から、動けない」 「なんで、それを、知ってる?」と、マッコイ。 「ボーンズ!」と、カーク。 「私の洞察力は、優れているのだ、船長」とハリソン。  マッコイは、ボスプレーをしまい、差し出し口を脇へ消した。 「終わったか?」と、カーク。 「ああ」と、マッコイ。 「あとで、結果を聞く」  3人は、戻っていった。 「私を無視すれば、この船のクルー全員を、死なせるぞ」と、ハリソン。  カークとスポックは、立ち止まった。 「船長」と、スポック。「彼は、あなたを、操ろあやつうとしています。これ 以上、捕虜とは、交流しない方が」 「1分、くれないか」と、カーク。スポックは、ブリッジへ。  カークは、拘束室の前に戻った。 110 109 「おまえの立場を
幻の指揮官 /ST/VGR_6_1_4/
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それだけ、言っておきたくてね」 「なんの、ことですか?」 「これから、ボーグは、攻撃してこなくなるだろう。きみのおかげだ」 「コンピュータ、副長の現在位置は?」と、ドクター。いやな予感がし た。 「チャコティ副長は、自室にいらっしゃいます」と、コンピュータ。 「どうか、したか?」とチャコティ副長。  ドクターは、困った顔をした。  2    ヴォイジャーの機関室。 「なにをしたって?」と、ベラナ。セブンとハリーも、来ていた。 「私のプログラムに」と、ドクター。ベラナに、パッドを差し出した。 「新しい機能を加えようと思ったんだ。知覚投影だよ。白昼夢はくちゅうむだ。空想 に、ふけってみたくて」 「不必要な機能だな」と、セブン。 「誰でも、することさ。いいじゃないか」と、ハリー。 「だから、試したかった」と、ドクター。 44 43 「それで、どうしたの?」と、ベラナ。 「ああ」と、ドクター
SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風 /
FSFDEC69.jpg 32613163032_3e5ea3fd38_b.jpg FSFNOV69.jpg FSFOCT72.jpg FSFJUN77.jpg FSFAUG78.jpg FSFAUG1952.jpg FSFFEB1952.jpg FSFDec1950.jpg FSFJUN70.jpg FSFMAY67.jpg FSFJAN66.jpg FSFJUL66.jpg FSFMAY65.jpg FSFAug1962.jpg FSFMAR1964.jpg FSFSEP86.jpg FSFMAY97.jpg FSFMAY2001.jpg FSFSEP88.jpg FSFOCT85.jpg FSFMAR86.jpg FSFJul1953.jpg BDTMRTRNSF1975.jpg FSFJUN72.jpg Bantam0302.jpg LCSDVNTRSN0000.jpg AliceWonder.jpg AliceLooking.jpg FSF_0374.jpg
二. サイト 内 検索 をリリースしました。 三. 郵便番号検索 をリリースしました。 四. 世界の国旗 をリリースしました。 五. 和暦⇔西暦・早見表 で、令和を新年号としました。 六. ネット広告をすべて廃止しました。   ページ、 ページ その他:広告なし  ◇◆Alt-C Alt-Pともに、広告なし◇◆  左  中央:初出年月・初放映日・初出雑誌・他  右 七. 宝くじMission に、ビンゴ5(N8)を追加しました。 or and 京 都 大原 星 銀河 夢 心 人形 宇宙船 月 夜 花 光 月 夜 花 光 、 ◇ 令 和 SFミステリー 「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶 ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス SFミステリー ☆原作:フレドリックブラウンより☆ 緑の世界   小さな子羊よ   ヴ
フィッシュストーリー /FB3/FishStory/
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けっして岸の近くには来ないの」 「もちろん」 「それでは、あしたの夜、トリートーンに会いにゆきましょう!」  ロバートは、友人の家に幸せの絶頂の気持ちで戻った。  ロバートは、トリートーンがロレーヌを人間に変えるのか彼を人魚に 変えるのか知らなかったが、どちらでもよかった。ロバートはロレー ヌに夢中になるあまり、結婚さえできればその形態は気にならなかった。 6 5  3    つぎの夜、結婚式の夜、ロレーヌはさきに来て、ロバートを待ってい た。 「座って!」と、ロレーヌ。「トリートーンは、到着の合図に、巻貝の トランペットを吹くわ!」  ふたりは、腕を互いの腰にまわして待った。  やがて、海のはるか沖から巻貝のトランペットが聞こえてきた。  ロバートはすぐに服を脱ぐと、ロレーヌを抱いて海に入った。  ふたりは、泳いで、トリートーンがいるところに着いた。 「おまえたちは、結婚で
イェフディの法則 /FB2/TheYehudiPrinciple/
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 4    チャーリーは、説明した。 「額のひたい2枚の銅板のあいだに場が形成されて、それが、素粒子の振動を 何千倍にも加速して、それによって、脳や体の有機体の速度も加速する んだ。スイッチが入る直前の命令が自己暗示的に行動を誘発して、き みが自分で命令した行動を実行することになる。しかし、それがあまり にも高速なため、誰もきみの動きを見ることができない。きみが動いて 戻ってくるのが、まったく同時なので、一瞬かすむだけなんだ。分かっ たかい?」 「もちろん!」と、オレ。「1つを除いて。イェフディってだれ?」  オレは、テーブルで、もう2杯作り始めた。7/8を、ジンで。  チャーリーは、さらに、説明した。 「行動は、速度が速すぎて、記憶に残らないんだ。ある意味で、記憶は、 加速化の影響を受けないからね。その結果、本人にも観察者にも、命令 が同時に実行されたように見える。いわば、存在しない小人が実行した ように━━━」 「イェフディのこと?」 「イェフディじゃ、なぜだめなんだい?」 「なぜかって、なぜかというと」と、オレ。「ここに、もう一杯あった 20 19 としよう。ちょっと弱めで
眠れるステーション エムポックノール /ST/DS9_5_6_4/
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長居ながいする気はないよ」と、チ ーフオブライン。 「まったく、地球人ってのは、ミステリーの楽しみ方を知らないな」 「僕も、ミステリー小説は好きだな。寝る前に読む分にはいいが、自分 が殺されるのはね」 「誤解しないでください。私だって、早く、このステーションから逃げ 出したいんですよ。でもこの謎が解けないうちは、すっきりしないで すからね」  ノーグは、ふたりから離れて、周りを調べにゆくと、カーデシア兵士 が背後から忍び寄った。 「とにかく、今は、シグナル発生装置のセットアップが先決だ。ミステ リーの謎解きなら、あとで、たっぷり、時間があるさ。ノーグ、ちょっ 30 29 と、こっちへ来て、手伝ってくれないか」 「すぐに、行きます」と、ノーグが言うと、カーデシア兵士は、身を隠 した。  ペチェッティは、居住区で修理していた。ストルゾフが、護衛につい ていた。 「銃口を向けるのは、やめ
ヴァヴェリ /FB/TheWaveries/
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今や、すべての 方向から等しいレベルで。侵略者たちは、すべて、到着したわけですか ?」 「そうです。そこから、導かれる結論は、他に、ありません。地球は、 今や、取り囲まれ、完全に、おおい尽くされました。  電波によって━━━この電波は、地球では、無線電波として送信され ましたが、実際には現在のテレビ、スマートフォンや携帯電話で受信 されてますから、むしろ、テレビ属ぞくの電波です━━━  テレビ属ぞくの電波によって。これは発信源を持たず、あらゆる方向へ、 地球全体を、たえまなく動きまわり、自分たちの意志で姿形すがたかたちを変化させ ています。現在のところ、まだ、地球から発信された、無線電波の形で 50 49 すが、これが、彼らを引きつけ、ここまで、連れてきたのです」 「彼らは、我々の望遠鏡では見えない恒星から来たのか、まさに、宇宙 の一点から来たのか、どちらと、お考えですか?」 「
オレとフラップジャックとマルスd星人 /FB4/Flapjack/
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その中間のものだった。  とにかく、それらの生き物たちが、最初バルーンだと思った巨大ボー ルに入ったり出たりしていた。ときどき後ろ足で立ったり、四足だった りした。2足のときは、だいたい4フィートの身長で、4足だと雌牛の ひざくらいの高さだった。彼らの足は、前の足を腕と呼べば腕はとて も短かった。みんなで、おかしな装置のようなものを運んでいて、オレ と巨大ボールの中間の砂漠の上に組み立てていた。3人が組み立てて、 ほかのものたちは運んでいた。  そのとき、フラップジャックに気づいた。やつは彼らの近くで立って いて、恐れている様子はなかった。ほかのロバのように、興味深げに。 16 15  オレは勇気を出して、ブラブラ歩いて、彼らが組み立てているものを 見たが、なんなのかまったく分からなかった。オレは「ハロー」と言っ た。彼らはだれも答えなかった。オレがプレーリードッグであるかのよ
黄の悪夢 /FB2/NightmareInYellow/
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だれにも気づかれていなかった。じゅうぶん計画して、 逃走経路や、目的地、新しい身分証やらを、ことこまかに準備した。き わめて簡単な作業だったが、なんか月もかけた。    2    妻を殺すことにしたのは、どちらかといえば、後から考えたことだっ た。動機は、単純だった。妻を憎んでいたからだ。ただ、それは彼が 決して捕まりたくないということ、もしも逮捕されることになれば、自 殺することを選ぶだろう、つまり、失敗すれば死ぬのだから、自分の死 んだあとに、生きてる妻を残すのだったら、むしろ、死んだ妻を残した ところで、失うものはなにもない、ということに思いいたったからだっ た。  妻が、きのう、1日前にくれた誕生日プレゼントが、あまりにピッタ リだったのには、おもわず笑ってしまった。それは、新しいスーツケー スだった。妻は、さらに、誕生日を祝うために、7時にダウンタウンで 食事したいので、誘ってほしいと言った。食事のあとで、どうなるかは、 妻には、想像もできなかっただろう。  彼の計画では、妻をかかえて、8時46分に家に戻る。正確な時刻に、 独身に戻ることは、彼の几帳面な気質を満足させた。妻を殺しておくこ 6 5
報復戦隊 /FB3/Fleet/
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 3    光速を越えるスピードが出せるCプラスドライブは、発明されたばか りで、実際に使用されていなかった。太陽系内の資源をめぐる争いには、 光速を越えるスピードは必要なかったからだ。  しかし今、侵略者の惑星に報復するという明確な目的ができたことで 地球と火星は、Cプラスドライブを備えた戦隊を作ることに技術を結集 した。完成するまでに10年を要した。報復の旅には、推計ではさらに 10年必要とされた。戦艦の数は多くはないが強力な武器を装備した、 報復戦隊は、2830年、火星エアポートを発った。    4    その後、消息不明となった。  29世紀末になって、その後の運命が分かってきた。偉大な歴史家で あり数学者でもある、ジョンスペンサー4の論文における、演繹的推論 が正しいとしてだが。 「よく知られたことではあるが」と、スペンサー。論文で。「時間は、 光速を越えると逆向きに進行する。よって、報復戦隊が目的地に着いた のは、われわれの時間にすると出発する以前であった」 6 5  5   「われわれは今までのところ、われわれの住む宇宙の次元の数を知らな い。しかし報復戦隊の経験か
そよぐ幻影 /OT/SoyoguGenei/
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 そよぐ幻影げんえい  大手おおて拓次たくじ あなたは ひかりのなかに さうらうとしてよろめく花はな、 あなたは はてしなくくもりゆく こゑのなかの ひとつの魚うを、 こころを したたらし、 ことばを おぼろに けはひして、 あをく かろがろと ゆめをかさねる。 あなたは みづのうへにうかび ながれつつ ゆふぐれの とほいしづけさをよぶ。 あなたは すがたのない うみのともしび、 あなたは たえまなく うまれでる 生涯しょうがいの花はなしべ あなたは みえ、 あなたは かくれ、 あなたは よろよろとして わたしの心のこころなかに 咲さきにほふ。 みづいろの あをいまぼろしの あゆみくるとき、 わたしは そこともなく ただよひ、 ふかぶかとして ゆめにおぼれる。 ふりしきるさざめきのやうに わたしのこころは ながれ ながれて、 ほのぼのと 死しのくちびるのうへに たはむれる。 あなたは みちもなくゆきかふ むらむらとしたかげ、 かげは にほやかに もつれ、 かげは やさしく ふきみだれる。  (昭和八年六月二十九日) 2 1
ティラノサウルス /FB1/Runaround/
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いつも、ほとんどいつも、彼の6インチの長さのカーブした、 さきが鋭利な、2重の歯の攻撃は、空ぶりした。しかし、ほんのたまに、 小さな口のちっぽけな毛のはえたやつらの1匹を、やつざきにできた。 やつの温かい血が、首のうしろの、厚い皮のうえをしたたり落ちた。  たしかにやつらの1匹を、たまにつかまえることができた。しかし、 めったにつかまえられず、ティラノサウルス レックス、恐竜の王の、 ものすごい食欲を満たすには、遠くおよばなかった。今は、王国をもた ない王であった。  死ぬほどの空腹が、彼のなかで、燃えていた。それが、彼を、いつも、 動かしていた。  それが、きょうも、彼を動かし、重い足どりで、森をぬけ、曲がった 道をたどり、平原の草地のようなところにはえた、重い低木や若木で、 道をさえぎられた。 10 9  いつも、彼のまえを、小さなやつらが、ちょこちょこ走るような足音 をたて
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ /FB2/Reconciliation/
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1   「キライよ」と、女。声が低くなった。「アンタのすべてがキライよ」 「キサマの方こそ。キサマの贅沢のために、さんざんしぼり取られたあ げく、こっちには、もう、キサマのエゴのために、バカなものを買わさ れるカネさえ残ってないんだ」 「それは、ウソよ。アンタだって、それがウソだってわかってるはずよ。 アンタが、むかしのようにわたしに接してくれてたらアンタだって、 おカネの問題じゃないってわかるはずよ。もんだいは、あの女よ」  男は、1万回も同じことを聞かされた男がするように、ため息をつい た。 「キサマだってわかってるだろ?」と、男。「彼女は、なんの関係もな いって。ほんのすこしもね。キサマが、オレのやることにいちいち指図さしず したんだ。ほんのささいなことにも。オレはあやまる気はないね。また、 同じことをするまでさ。  キサマだって、チャンスがあれば、同じことをするだろう。ただ、そ んなことのために、恥をかかされたくないね。オレの友人たちの前で」 「友人たちですって?あのヨタモノたちの意見の方が、アンタには大事 だっていうの?」 4 3  エピローグ    目もくらむ閃光と
3つの願い /XF/JeSouhaite/
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いっさい、 見つからなかったんだが、すべては、この謎の女のしわざだよ」 「そう、で、方法は?」と、スカリー。 「うう、分からない。でも、とにかく、彼女と話そう」  モルダーは、室を出ようとした。 「ええ、わたしは、ここに、残るわ」と、スカリー。「このままの状態 で、遺体を放置するのはまずいと思うの。だって、貴重な証拠だもの」 「わかった」と、モルダー。ドアをあけて、出ていった。  スカリーは、ひとりになると、うれしそうな笑顔を浮かべた。   36 35  ◇    住宅街のクルーザー船、夜。 「心から、お悔くやみを」と、モルダー。レスリーストークスの家で、報 告した。 「アンソンは、苦しんだのかい?」と、レスリー。 「いや、たぶん、即死だよ」  レスリーは、下をむいた。 「それより」と、モルダー。「アンソンは、透明だったと言ってるのに、 きみは、すこしも、驚かないね?」 「ああ」 「昼
ファーストコンタクト /FB3/Contact/
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 2    火星は、長いあいだ地求人が来るのを待っていた。火星に残されたも のは、人口900人だけの小さな村だけだった。火星の文明は、地球よ り古かったが、死にかけていた。1つの村と900人の人間、それだけ が残された。彼らは地球とコンタクトがとれる日を待ち望んでいた。そ れは、利己的な理由と、利己的でない理由があった。  火星の文明は、地球の文明とはまったく違う方向に発展した。火星 では物理科学は発展せず、技術もなかった。しかし社会科学は発展し、 この5万年のあいだ、ひとつの犯罪もひとつの戦争も発生しなかった。 物理学を越えた科学、つまり心の科学が発展していた。これは、地球で は、発見しかけたばかりだった。  火星は、多くのことを地球に教えられるだろう。犯罪や戦争をいかに 回避するかは、2つの単純なことだった。これから始めて、さらにテレ パシーやテレキネシス、エンパシーへと━━━。  一方、地球からは、多くの価値あるもの、科学や技術を教えてもらう ことを望んだ。それは、火星だけでは、進歩した心をもってしても発展 させるには遅すぎるものだったが、死にかけた火星の人々を復活させ、 もう一度人口を増やしていくことを可能にするものだった。地球にとっ てもメリットこそあれ、デメリットはなかっただろう。 6 5  今夜は、水爆の閃光分析として、地球がファーストコンタクトする夜 だった
ドール /XF/Chinga/
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言った。「あんたは、知らん顔!」 「ジェーン、もしよければ、中で話したいんだけどね」 「あんたと話してもムダってことは、いやってほど分かったわ。知って ることは、すべて話したのに、あんたは、ムシしたじゃない!わたしの 祖先は、魔女のあつかいかたを知ってたわ。もし生きてたら、今ごろ 悪魔ばらいして、あの女を、徹底的にこらしめてやれたのに!」  ジェーンは、言い終わると、すぐに、ドアを閉めた。 「ニューイングランド地方の、もてなしがどういうものか、実際に、身 をもって体験できてよかったわ」と、スカリー。ふたりは、パトカーま で戻った。 「これで、世間が、あの親子をどう思っているか、分かっただろう?」 と、警部。 34 33 「メリッサターナーの家系のことだけど」と、スカリー。 「それが?」 「うわさでしょ?だだの」 「さぁ、よく知らんが、なぜだ?」 「どうせだから、この際、本人を呼んで
緑の悪夢 /FB3/NightmareInGreen/
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結婚生活の6年間、傷つき打ちのめされなかった日はなかった。 4 3  2    今まではローラがやって来るまでは、そうだった。ローラは今週か ら、お客として家に滞在していた。愛らしくかわいらしいローラは、デ イジーにはない、きゃしゃでかよわく、ほれぼれするほどの無力で頼り なさのすべてを持っていた。ウィリアムはローラに夢中になり、ローラ が彼の救世主だと分かった。ローラと結婚すれば、ウィリアムは、ふた たび男になれるだろう。ローラが彼と結婚するだろうことは、確かだと 感じた。ローラは、ウィリアムの唯一の希望だった。今度ばかりは、デ イジーがなんと言おうと、ウィリアムが勝利するのだ。  3    ウィリアムは、シャワーを浴びて、すぐに服を着た。デイジーとの対 決シーンを恐れながらも、勇気が続くうちに、早く終わらせるために、 急いだ。下へ降りると、朝食のテーブルにデイジーがひ
武器 /FB2/TheWeapon/
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知っていたのだろう。 6 5 「ハリー」と、グラハム。愛情に満ちた、暖かい声で。「ダディは、今、 忙しいから、自分の室で、すこし待っていなさい。すぐ、行くから」 「ちっちゃなニワトリさんを?すぐ、読んでくれる?」 「いいよ。さぁ、行って!あ、ハリー、こちら、ニーマンドさん」  少年は、恥ずかしがりながら、訪問者に笑いかけた。 「ハイ、ハリー」と、ニーマンド。少年の手をとって、笑顔を。グラハ ムは、それを見て、ニーマンドは知っていた、と確信した。笑顔も仕草 も、少年の精神的年齢に合わせたもので、実際の年齢に対するものでは、 なかった。  少年は、ニーマンドの手をとった。そのうち、ニーマンドのひざに上 がってしまいそうだった。グラハムは、少年をやさしくひっぱった。 「室へ行ってなさい、ハリー!」  少年は、スキップで自分の室へ戻った。ドアは、あけたままだった。 「彼が好きですね」と
失われた文明2不死 /FB3/Discovery2/
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 失われた文明2不死  原作:フレドリックブラウン  アランフィールド    プロローグ    失われた大きな発見の2番目は、不死の秘密だった。  不死の秘密は、1952年、合衆国海軍無線技師のポールヒッケンド ルフ中尉が発見した。その装置は小さな箱に入った電子基盤で、ポケッ トに入れて手軽に持ち運べた。箱のスイッチをオンにすると、装置を持 っている人のまわりがフォースフィールドで覆おおわれ、その力の強さは、 ヒッケンドルフのたくみな数学で計算しても、ほとんど無限であった。       2 1  1    フォースフィールドは、いかなる熱や放射線も完全にシャットアウト した。  ヒッケンドルフ中尉の計算によると、人間は━━━男だろうが女だろ うが、子どもでも犬でも━━━このフォースフィールドの中にいれば、 至近距離で水爆が爆発しても守られ、かすり傷さえ負わなかっ
恐怖のウイルス /ST/DS9_1_2_1/
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修理中、これを作動させてしまったんだな」と、シ スコ大佐。 「ベシアによれば、その装置は、変則プログラミングシーケンスを出現 サブルーチンに導入するんだそうです。つまり、わかりやすくいうと、 ウイルスを分子レベルでレプリケータの食べ物の中に、直接入れるわけ です」 「明らかに破壊活動だ」 「カーデシアの破壊活動です」と、キラ。 「なぜ、そう言いきれる?」と、シスコ大佐。 「動力にターボリニアコアを使っています。これは、カーデシアの技術 38 37 だわ」 「ベシアより、シスコ司令官へ」と、トランシーバの声。 「こちらシスコ」 「司令官、至急、診療室までいらしていただけないでしょうか」 「よし、すぐ行く」  シスコ大佐は、医療室に着いた。 「どうしたんだ、ドクター」  ジェイクは、看護婦に付き添われて入ってきた。 「ジェイク!」と、シスコ大佐。 「左側、もっとよくなる、コントロール、希
ふくろぅ3兄弟 /FB3/Owl/
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 2    末っ子は、できるかぎり高く舞い上がった。翼がつばさ疲れたので、木のう ろの家に降りる前に、一番上の枝にとまって休んだ。  下を見ると、大きなワイルドキャットが木の枝にいた。ワイルドキャ ットは、上にいる末っ子のふくろぅには気づかず、木のうろの丸い黒の 穴を見ていた。その穴は、ふくろぅの家の穴だった。 「ホォォォォォ!」と末っ子。自分に言ったので、ワイルドキャット には聞こえなかった。家に安全に帰れる方法をさがした。  近くのとげの木を見つけ、飛んでいった。口ばしでとげを1本折ると、 しっかりくわえた。静かにもとの枝に戻ると、鋭いとげをワイルドキャ ットのやわらかいお尻に力いっぱい突き刺した。 「エェェェェェォゥ」と、ワイルドキャット。体を起こそうと、ねじり、 ジャンプを3つ同時にやったので、枝から落ちた。頭が下の枝にあたり、 地面にいるハンターの頭にぶつかった。ハンターは銃を落とし、銃は 「バン!」といって、やぶに隠れていた赤ぎつねにあたった。 「ホォォォォォ!」と、末っ子。くちばしは、とげを強くくわえて力い っぱい突き刺したので、ひどく傷ついていたが、そのときは気づかなか った。 6 5
ねずみ /FB1/Mouse/
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グレーブセンドによれば、物質は、地球外のものだという。訳がわ からぬ」 「少佐、考えがあります」と、別の声。ビルヒラーが寄りかかっていた 男性の声で、声ですぐに分かった。合衆国大統領の声だった。ビルは、 そっと、寄りかかるのをやめた。 「私は、科学者ではないが」と、大統領。「それにこれは、ただの可 能性だが、最初の閃光、なにか排気管からのような、閃光を覚えている だろうか?あれは、ひょっとすると、なんらかの破壊で、動力や燃料が なんであれ、すべて跡形もなく、消し去ってしまう爆発だったのかもし れない。誰かが、あるいは、なにかが、その動力の秘密を、われわれに 知られないようにするために、自爆装置を備えていたのだ。それで、着 20 19 陸したあと、動力は、自ら、完全に破壊された。ロバーツ大佐、焦こげた 地面のエリアを調べましたね。なんらかの痕跡こんせきが見つかってますか?」 「ええ
気まぐれ /FB1/Experiment/
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ジョンソン教授は、物体 を、マシンの台の上に、静かにおいた。すぐに、物体は消えた。  5分後に、一瞬で、それは、現われた。  ジョンソン教授は、それを、持ち上げた。 「こんどは、5分、過去に送りましょう」  教授は、別のダイヤルをセットした。物体を、手の上において、時計 を見た。 「今は3時6分前です。ちょうど3時に、物体を台の上において、実 験を開始します。よって、物体は、私の手から消えたあと、3時5分前 に、台の上に出現します。それは、私がそこに物体をおいて、実験を始 めた、5分前です」 「どうやって、物体を台の上におくことができるのかな?」と、同僚の 教授のひとり。 「それは、私の手が近づくと、台から消えてから、そこにおかれるため に、また、私の手の上に現われます。3時に、です。注意して、見てい てください」  物体は、教授の手から、消えた。 4 3  それは、再び、タイム
暗闇の間奏曲 /FB4/Interlude/
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土壌は十分やわらかく、片方の足首を痛めたがたいしたことはなか った。なんとか立ち上がると、まわりを見た。 14 13  畑が広がっていてマットの説が少なくとも部分的には正しかったこ とを示していた。自分の年令より、ずっと以前、農業がまだ経済の主要 産業のひとつだった時代、明らかに彼の時代より以前の文明であった。  およそ半マイル先に、鬱蒼うっそうとした森が広がっていた。公園でなく、彼 の時代のコントロールされた自然生活のために作られた森でもなかった。 手付かずの森林地帯は、ほとんど想像もできなかった。しかし、時代的 に、信じられないことに慣れてゆかなければならない。これは少なくと も知っていたことだった。これから多くの奇妙ことに出会うだろう。  数百ヤード右に、木で作られた建物があった。外観が原始的でも人間 の住居に違いない。この時代の仲間と接触する機会を逃のがす手はない。ひ ど
赤の悪夢 /FB1/NightmareInRed/
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 赤の悪夢  原作:フレドリックブラウン  アランフィールド        彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。 最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、 タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。  ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。 時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、 パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。   2 1  しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか? ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか? あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、とい
つくられた記憶 /ST/DS9_4_5_3/
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「ふぇ、せいぜいがんばるよ」と、オブライエン。 「ああ、ここにいたのか」ドクターベシアが顔をだした。 「や、ジュリアン、なにか用か?」 「ああ、その通りだ、テリノールが言うには、君は十日とうかもカウンセリン グに来ないとか」 「それが?」 「それがって、週に三回受診する約束だ」とベシア。 「なんのためにだ?」と、オブライエンは、言った。 「カウンセリングで毎回テリノールに訊きかれることといったら、決まっ ている。刑務所の生活はどうだったかとか、暴行は受けたかとか、トイ レの設備がなくて不便は感じなかったかとか、問題があるのは、あいつ の方だよ」 「テリノールがそんなに気に入らないのなら、カウンセラーを変えれば 30 29 いい」と、ベシア。 「カウンセラーと話すのは、もううんざりだよ、アグラッサで起きたこ とは忘れて、早くもとに戻りたいんだ」 「戻れるのか?」 「戻れるさ、あたりま
天使は淋しい道を行く /TS/LonelyRoad/
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「信仰の世界だって、実際的な面があるのですよ。ところが、あなたは、 奇跡を求めてるんです、違いますか?1匹の魚、1きれのパンで、何千 も養うような奇跡をね。雷鳴や稲妻とともに、現われる奇跡がないから、 いっさいが、むなしかったっていうんですか?とんでもないですよ!シ スター、だれかしら、なんかの形で、かならず救われていますよ!」 「ウォーカーさん、思い出のひとつを、お話しましょう。教区の学校で 教えていたころインディアンの少年がいました。あの子は、16くら いでした。ホソギという子でした。ホソギは、ナガギ語で、幸せと正義 という意味なの。不良という評判でしたが、そのとおりでした。ずいぶ ん、悪いことをしましたわ。盗みもし、ウソもつきました。でも、わた くしは、その子が好きになりました。教えてやりたいことは、山ほどあ って、実際に、教えてもいました。でも、失敗しました。週に2晩、青 少年を集めて、話をしました。教室のうしろに、図書室がありましたの。 はは、図書室といっても、小さくて、もの置き同然でしたが、でも、ホ ソギにとっては、別世界であり、隠れ家でした。あの子は、理解を求め て、そこへ行きましたの。よく、クラスが終わってから、お酒に酔って、 遅く、来ました。ふらふらしながら、その夜も、泣いていました。わた 58 57 くしは、コーヒーを飲ませてやり、それから、座って、心を
レッドダイアモンド /RD/RedDiamond/
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ももとももが触れ合った。室に盗聴器が仕掛けられて いるから、彼女はゲームを続けるのだろうか? 「きみは、なにを?」と、レッド。 「女優」 「きみらの演技には敬服している」  ジェーンは、くすくす笑ってお代わりを飲み干した。 「映画と、コマーシャルにも。レストランでは、ウェイトレスを演じて いる。せりふは、まだないけど、モデルの仕事も」  ジェーンが話すたびに胸が上下し、発情したヤギの群れのような気分 にさせた。 「あなたの話をして!」と、ジェーン。 「話すことは多くはない。大都会の水面に顔を出して、ある種のやつら をやっつけようともがいている」 「それは、ロコ?」 「もう、ゲームはおしまい!」と、レッド。飲み物を床におくと、ジェ ーンの手から、ほとんど空からのグラスを受け取った。  ミリーは、ジェラシーから顔をしかめた。ガールフレンド以上の女は 何人かいたに違いない。レッドは、ミリーのイメージが、狭い室で、タ バコの煙の向こうに消えてゆくのを見た。  それから、フィフィに突き進んでいった。世界には、フィフィ以外の 306 305 だれもいなくなった。  レッドは、しばらくして、タバコ
ハンスカーベルのリング /FB3/HansCarvel/
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妻は元気がよすぎて活発すぎるのでは ないかという気がした。彼が与えられるものが、もちろんお金は十分あ ったが、お金以外で与えられるものが、彼女を満足させるには十分では なかったかもしれなかった。かもしれない?はっきり言おう。十分では なかったのだ。不自然にならないようにハンスカーベルは、調査を依 頼して、妻が浮気をしていることを知った。ハンスカーベルは、心が動 揺して苦しみ、夜眠るたびに悪夢に悩まされた。    2    その悪夢のひとつに、ある夜、デビルが現われた。ハンスカーベルは、 悩みを打ちあけて申し出た。 「なにか妻の貞操ていそうを保証してくれるものがあったら、ここにあるお金で 譲ゆずってほしいのだが!」 「もちろん、いいとも!」と、デビル。「魔法のリングをあげよう。目 覚めたら、リングがあるよ。そのリングをはめている限り、きみの奥さ んがきみに隠れて浮気をすることは不可能だ」 4 3
まだ終わりじゃない /FB3/NotYet/
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艦隊を呼んで、数千の奴隷を必要な だけ確保したら、都市だけでなく惑星ごと破壊すればよい。そうしてお 6 5 けば、ここの文明がわれわれに仕返しに来れるまで発展することはな い」 「よし」と、ラル。ノブを調整した。「磁気フィールドでキューブを不 可視化した。紫外線まで見れる視力がなければ、キューブは見られない。 ここの太陽のスペクトルからすると、見られそうにないな」  キューブは降下しながら、グリーンの光は紫に変わり、さらに周波数 を上げた。着陸は物音ひとつしなかった。カーはエアロックを操作して 外へ出た。ラルが続いた。 「見ろ!」と、カー。「2足歩行で、腕も2つ、目も2つ!ルナックス とそう違わない。すこし小型なだけだ。よし、標本を採取しよう!」  カーは、左の下肢をのばし、3本指でワイヤーが巻かれた棒をつかん だ。カーはそれで生物の1匹を捕らえ、もう1匹も捕らえた。棒の先か
あごひげ彩か /FB3/Beard/
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禁じられたクローセットのドアのカギ穴のサイズにあっ ていた。  2    マリアンヌは、カギを試した。カギは合っていた。ドアがひらいた。  クローセットの中は、マリアンヌが無意識にでも見るのを恐れていた ものではなかった。なにかもっと当惑するものでビックリするほど複 雑な電子部品の板が何枚も積み重なっていた。 「マリアンヌ」と、うしろで皮肉っぽい声がした。「それがなにか分か るかい?」  マリアンヌは、振り返って夫を見た。「なぜか分からないけど、なに かの機械かしら」 4 3 「そのとおり、マリアンヌ、無線機さ」と、ビリー。「ただし、ずっと パワフルで高性能、恒星間通信もこなせる。それでいつも、ベヌースb 星と通信していたのさ。そう、オレは、そこから来た」 「でも分からないわ」 「分かる必要はないよ、ダーリン。話してあげるけど、オレは、ベヌー スb星のスパイなのさ。いわば、調査員
ミットキーあらわる /FB1/TheStarMouse/
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地球に接近することが分かった。かなり近くまで。 1932年には、驚くことに、アモーが、1千万マイルまで接近した。 天文学的には、ほんの、5番アイアンの距離だ。同じ年に、アポロが、 その中間点を通過した。1936年には、アドニスが、150万マイル まで近づいた。  1937年、ヘルメスは、50万マイルより近くまで。天文学者は、 その軌道を計算して、驚いた。直径1マイルのこの小惑星は、月よりも 近い22万マイルまで接近していたのだ。  ある日、天文学者たちは、直径375メートルのプロックスを見つけ て、さらに、驚くかもしれない。この天体は、宇宙の障害物で、月を横 切ったり、地球に、ほんの10万マイルまで、接近したりすることもよ くあった。  プロックスは、光を反射しないので、別の天体を横切る影でしか、発 見できなかった。プロックス人は、数百万年前から、地下から抽出した、 光を吸収する黒い色素で、小惑星全体をコーティングして、光を反射し ないようにしていた。世界をコーティングするような大事業をおこなっ たのは、プロックス人の背丈は、0・5インチしかなかったからだ。軌 道がずれても、敵から安全にいられるように。火星に生命がいた時代に は、衛星のデイモスには、背丈8インチの凶暴な巨人たちが住んでいた。 彼らは、絶滅する前に、2回、地球にやってきた。楽しみのために、殺さつ 34 33 戮
世界の終わり /FB/TheEnd/
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 ◇    教室の一同は、一瞬、息をのんだが、すぐにざわつき始めた。 「なんだね、ジョアンナ君」と教授。 「先生、何も起こってないようなんだけど━━━」と、手を挙あげた生徒。 「それは、君が、時間という場の内側にいるからさ。時間の流れという ものは、時間の場のひとつの属性にすぎん。  今、この機械は過去から未来へ流れる時間の流れを逆にしたのだが、 場の内側にいる存在にとっては、すでに来てしまった未来は、過去に、 これから起ころうとする過去は、未来と捉とらえるしかない━━━それは、 あたかも」  納得のいかない生徒たちは、さらに、ざわつき始めた。 「ジョアンナ君、君の顔が、今、鏡のように左右反対になってしまって も、誰も気がつかないのと同じだよ。  あるいは、地球の歴史において━━━なんどか起こっているように、 地球のN極とS極が瞬時に入れ替わっても、渡り鳥たちにとっては、な んの支障もないのと━━━」  ジョアンナは、納得がいかないまま頬ほほに手をおくと、今朝け さ、右頬みぎほほに新 しくできたばかりのニキビがすっかり消えてしまっているのに気づいて 4 3 喜んだ。  しかし
人形の家で /TZ/Miniature/
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「理由もなく、5時間も見続ける?」 「規則を破ってます?」 「いいえ」 「それでは、ひとりにしてください」 「分かりました」警備員はすこし笑ってから、戻っていった。  アイリーンは、また、ピアノを弾き始めた。    ◇    朝、チャーリーが外出すると、窓から母が顔を出して、車にいたマイ ラに合図した。マイラは、車から降りて、チャーリーのあとをつけた。  チャーリーが、博物館に入ると、マイラも続いた。  チャーリーは、いつもの警備員に会釈して、また、人形の家の前に立 った。  アイリーンは、応接間で、普段着姿で、刺繍を始めた。 「おはよう。新しい服だね。初めて、見たよ」  マイラは、展示室の前まで来ると、警備員に声をかけられた。 「なにか、ご用で?」と、警備員。 「いえ、別に」と、マイラ。 34 33  マイラは、奥の人形の家の前の、チャーリーを見つけて、近づいた。 「チャーリー」と
聖なる神殿の謎 /ST/DS9_1_1_1/
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共生生物のすべての記憶が、自分にもたらされたことを感じた。  ダックス中尉は、発光体を見ている自分に戻り、息をついた。    ◇    チーフオブライエンは、エンタープライズのブリッジに入った。 「艦長でしたら、作戦室にいます。お呼びしましょうか?」と女性士 官。 56 55 「いや、いいんだ。ありがとう」と、オブライエンは言って、転送室へ 行った。 「司令室へ転送してくれ!」 「了解」と、技術士官。  ピカード艦長は、転送室に入ってきた。 「オブライエン!ブリッジまで来たそうじゃないか」 「そうです、でも、お邪魔しては、と思いまして」と、オブライエン。 「少尉」と、ピカード艦長が言うと、技術士官は出て行った。 「君のお気に入りの転送室じゃないか」 「ええ、第三転送室!」 「実は、きのう、私もここへ来るなり、君の名前を呼んでいた、ふふふ。 いろいろ変わるな」 「ああ、同じ転送室じゃな
エコーバック /FB3/Rebound/
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 2    スネルは、高級ナイトクラブで、収入が彼の数十倍のナンバーワンダ ンサーと話していて、こう言った。 「ハニー、ショーが終わったら、オレの室へ来ないか?」  彼女は来た。冗談のつもりだったから、これには、スネルもだじろい だ。金持ちの男やハンサムなプレイボーイがついて来たが、彼女は冗 談まじりのラリースネルの誘いに乗ったのだ。  スネルは、パワーを得たのであろうか?つぎの朝、彼女が出てゆく前 に試した。 「今、いくらあるんだい?」 「千ドルくらいかしら」 「よかったら、貸してくれないか?」 「いいわよ」  彼女は、千ドル置いていった。  スネルは、ビジネスを始めた。つぎの週の終わりには、金持ちになっ ていた。あらゆる知り合いから、カネを借りたのだ。ほんのわずかな知 り合いから、なかには、いくらでも金廻りのいい地下組織の大ボスまで をも含めて。そして、かならず、別れ際ぎわに言いそえた。 「忘れちまいな!」 6 5
空想せよ /FB1/Imagine/
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 空想せよ  原作:フレドリックブラウン  アランフィールド        空想せよ。  さまざまな幽霊。神々。悪魔たち。  空想せよ。  いろいろな地獄や天国。空中に浮遊する都市や、海中に沈んだ都市。  ユニコーンやケンタウロス。魔女や魔法使い。精霊のジンやバンシー。  天使やハルピュイア。魔力や魔法。4大元素、守護神、悪霊。  空想するのは、かんたんだ。  何千年のあいだ、人類は、これらすべてを、空想してきた。   2 1  空想せよ。  宇宙船や未来を。  空想するのは、かんたんだ。  未来は、現実にやってくるし、宇宙船も登場する。  それでは、空想するのは、むずかしいものは、あるだろうか?  もちろん、ある。  空想せよ。  ひとつぶの物質を。  そのなかに、あなたがいて、目覚め、考え  それゆえ、自分が存在することがわかり、  自分が入っている、ひとつぶ
ハーフベア /FB3/Bear/
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 ハーフベア  原作:フレドリックブラウン  アランフィールド    プロローグ    もしも病院の待合室で、行ったり来たりしながらタバコに━━━たい ていは間違えてフィルターの先に火をつけて、なにかを待っている父親 を見たら、その仕草からどんなに心配か分かるだろう。  しかしそれが心配だと思うなら、今、出産室の外のローカでうろうろ している、ジョナサンクインビーをひと目見てほしい。クインビーは、 タバコのフィルターの先に火をつけて、そのまま吸っても違いが分かり もしないのだ。  ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。   2 1  1    始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味 でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は 落ちて、そ

ノヴァリアン NOVELYAN 1.20 試用版
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ヴァヴェリ.nov

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暗闇の家.nov

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サアルバの国.nov

DeathOnTheMountain.nov

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ご使用方法 補足事項
1. タイトルを選びます。
タイトルは、001.nov~009.novの9つあります。

novは、NOVELYANの略です。
ゲストルームでは、他に同一タイトルをご使用の方がおられると、 変換・表示の際に、上書きされる場合がございます。
ユーザの方の場合は、 ユーザの方専用ディレクトリ・非公開URLが、ご用意されますので、 他の方に邪魔される心配はありません。
ゲストルームでは、004.nov~006.novの3つは、変換・表示が、すぐ試せる事例です。ファイル選択は、すでに、それぞれ、 TheWaveries.nov TheHouse.nov DeathOnTheMountain.nov が、選択されているものとしています。(実際には、ユーザが指定します。) よって、変換と表示をすぐに試せます。 (004.htm~006_P.htmは、初期化できません。)
2. 原稿ファイルを選択します。
原稿を、001.novとすると、novファイルは、
テキストファイルで作成してください。
漢字の文字コードは、すべて、UTF-8です。
(novファイルは、UTF-8以外のシフトJISなどでも、読み込めます。)
(お使い慣れたエディタなら、なんでもOKです。 おすすめは、viviエディタ 1.x フリー版です。担当者が使用しているのは、1.006ですが、今はないようですので、VIVI1006.LZHをゲストルームに置いておきます。オリジナルそのものです。適当なディレクトリに、右クリック・対象を保存で、保存したのち、解凍すれば、セットアップなしに使用できます。文字コードは、UTF-8やシフトJIS、その他すべての読み書き・変換ができます。)
拡張子はnovとします。
(.novは、NOVELYANの原稿ファイルです。)
小説は、すべて全角で書いてください。
半角は、すべて、コマンドとみなされて無視されます。
コマンドについは、小説コマンドの説明をご覧ください。
%newが改行とかの、あたりまえのものばかりで、難しくありません。
小説は、いくら改行しても、つなげられますので、
20~40文字くらいで、改行を多めにしてください。

(40文字×3以上の長い行は、おすすめしません。ここが、ワープロとの違いです。 ワープロでは、改行がずっとなければ、すべて1行でなければならないため、 40文字×20~30くらいの行を作成しなくてはなりませんが、nov原稿では、 いくらでも改行を入れられます。%newを入れて、初めて改行になるからです。 nov原稿では、、や。ごとに、改行をいれて、1センテンスごとに検討したり、 行間のコメントを% で入れたりできます。ただし、、や。や」の直前に改行を 入れるのは、禁則処理との関係上、避けてください。)

コマンドは、%(ルビ)や、% (半角スペース)でその行コメントとかです。
ゲストルームでは、原稿ファイルは、15KBまで、見開き10ページ程度までです。
ユーザの方の場合は、750KBまで、見開き500ページ程度までです。
novファイルは、htmファイル画面作成にのみ、 一時的に1秒間プログラムが読みますが、ユーザの方の大事な原稿ですので、 一時的にでもファイルとして置かれることは、一切ございません。 ファイル名さえも関知いたしません。(拡張子novをチェックするだけです。)
3. 変換ボタンをクリックします。
原稿ファイル、001.novが、縦書き表示ファイル001.htm画面に変換されます。 変換時間は、1秒~数秒です。
ページ欄には、4.の表示 のときの、4桁まで初期ページを指定します。 指定がない場合や、 では、1ページ目が最初に表示されます。

同一のnovファイルを修正しただけなら、エクスプローラの再表示(Ctrl-R)で、 修正したものが変換されます。(毎回、ファイル選択しなくても大丈夫です。 ただし、これができるのは、chromeのみです。 IEやfirefoxでは、Ctrl-Rがうまくゆきません。)
エラー等のメッセージは、欄外に表示されます。 エラー(赤表示)がなければ、変換完了です。 エラー(赤や黒表示)があるときは、novファイルを修正したり、 表示で確認したりする必要があります。
novファイル未選択の状態で、変換ボタンを押すと、 001.htmや001_P.htmファイルは、初期化されます。
4. 表示の001等をクリックして、小説のできを確認します。

思い通りでない場合は、原稿ファイル、001.novを修正します。
修正したり、追加したり、001.novを、また、 変換・表示して・・・の繰り返しです。


試用版 ゲストルームでも、かならず、001.htmや001_P.htm等を作成します。 表示にあるボタンで、表示できます。 だだし、同一のタイトルnovで、複数の方が作業されますと、htmファイルは、上書きされます。逆に、自分の表示を消したい場合は、novファイル未選択で、 変換ボタンを押すと、初期化されます。
一方、 では、かならず、一時ファイルから表示を行なうため、上書きされることはありません。

ユーザの方は、その方専用のURLになるため、上書きの心配はございません。 表示にあるボタンで、 いつでもhtmlを表示できます。
変換で解説したCtrl-Rの再表示の画面と、ここでの001.htmの表示画面を、 隣のタグにおいておくと、novファイルの小説原稿を、たとえ、 点ひとつでも修正してから、変換画面タグでのCtrl-R、Ctrl-PageUp(タグの移動)、 そして、001.htmの表示画面のCtrl-R、とわずか3タッチで、修正された小説原稿 の再表示が可能です。(chromeに限ります。)
テンポラリーファイルからの表示は、 です。 テンポラリーファイルは、変換後、30分で削除されます。 時間切れで、表示できない場合は、変換からやり直すか、 表示にあるボタンを、 ご利用ください。

開始ページ番号は、ここでは、変更できませんが、表示後のURL欄の末尾、 3桁のページ番号を修正すれば、任意のページにゆけます。また、縦書き表示の 最下行のページ番号をクリックすると、右ページなら前ページへ、 左ページなら次ページへ移動できます。
高速に移動する方法は、一度、左ページのページ番号をクリックし続けて、 最終ページまで行ったら、ALT+←を押し続けて、最初のページに戻ったら、今度は、 ALT+→を1回づつ押しながら、次のページに行ったり、ALT+←で戻ったりすると、 高速に移動できます。
メインページに戻る場合は、ALT-M Enterか、ページ番号1をクリックします。
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この表示は、Microsoft Windows以外では、横書きの表示に、 Microsoft Windowsでは、縦書きの表示になります。
5. 印刷用をクリックして、ブラウザで印刷できます。
この表示は、Microsoft Windowsでの、縦書きの印刷用表示です。 それ以外のOSでは、横書きのまま、行が重なるなどして、読めません。
6. 画像をアップロードできます。
画像の表示には、画像コマンドを使用します。
画像コマンドについは、画像コマンドの説明をご覧ください。
画像のアップロードや削除は、ゲストルームでは、できません。
ユーザの方では、合計ファイルサイズ6MB(40KBの画像ファイルなら150個、 1KBのgifファイルなら6000個くらい)までで、 ファイル数に制限はありません。
アップロードされた画像ファイルは、 画像エリアにその名前で格納されます。 ファイル名に日本語は、使用できません。
トップページ中央上のメイン画像や各タイトル画像は、 画像エリアにアップロードした、 お好きな画像(gif/png/bmpも可)に差し替えられます。差し替えたい場合は、 感想で指定してください。(ユーザの方のみです。また、各タイトル名も変更できます。)
7. 事例タイトルは、novファイルの事例です。


ヴァヴェリ.nov 暗闇の家.nov 、あるいは、 サアルバの国.nov を、右クリック・対象を保存で、保存したのち、このファイルを選択すれば、 変換して、結果を表示することができます。また、保存したnovファイルが、 事例ですので、必要な小説コマンドがすべてそろっていて、テンプレートとしても、 ご使用になれます。タイトルや作者を書き換えて、 本文に自分の小説を書いてゆくだけです。プロロ-グやエピローグ、 ◇や1、2、3、などもそのままご使用になれます。 ここには、画像コマンドの画像表示もありますが、最初は、 小説コマンドだけで、小説を書いてゆけば、大賞等の受賞まで辿りつけます。 才能があっても、チャレンジしないと、永遠に辿りつけません。

【追記】 事例の3つのnovファイルは、サーバーの都合上、文字コードがすべて utf8となっています。
実際は、自分のPC上で書く場合は、シフトJISが一般的ですので、 シフトJISに変換するには、VIVI1006.LZHなら、一度読み込んでから、
F-R (再ロード)の右にある 再ロード(UTF-8)で、読める表示になります。
F-A (名前を付けて保存)の文字コードで SJISを選べばシフトJISで保存できます。

(サンプル版004~006以外で、novファイルを指定する場合は、シフトJISでOKです ので、novファイルは常にシフトJISとして構いません。 VIVI1006.LZHでも、通常の読み書きは常にシフトJISです。
余談ですが、以前別の職場で、「日本語コードはいろいろあって面倒」という話を していましたら、部下のひとりに「日本語コードは1つしかない!」と真顔で怒鳴ら れました。プログラマーでさえそうですから、シフトJISだけだと思って十分です。)

小説コマンド 補足 説明

コマンド行:%で始まるコマンド(半角)がある行
コマンドは、%のあとの3文字のみ有効。
コマンド以降は、行末まで無視されます。
例外:行頭の全角スペースと%(ルビ)
% %と
(半角スペース)
その行、行末まで、すべて、コメントとみなされます。 メモ書きでも、参考事項でも、自由に書いておけます。 修正前の言葉とか、草稿の余白にいろいろ書くメモのことです。 コメントは、表示には、一切反映されません。
%new %new
(newlineの略)
改行されます。
これが出てこなければ、行は、すべて、つなげられます。
(唯一の例外が、次の、行頭の (全角スペース)です)
%newだけの行が、連続してあっても、改行は1度のみですので、 前もって、%newだけの行を、20~40行コピーで作っておいて、 徐々に、小説で埋めてゆくと、書きやすいです。
  行頭の
 
(全角スペース)
改行してから、行が出力されます。
これが出てこなければ、行は、すべて、つなげられます。
%newだけの行が、連続してあっても、改行は1度のみです。
空行を作る際には、行頭の%newと行頭の (全角スペース)を 交互に繰り返します。
%(ルビ) %(と)で、ルビを挟みます。 つぎの熟語にルビが付きます。
コマンドは、すべて、行頭の%で始まりますが、唯一の例外が、 %(ルビ)で、どこにでも、置けます。行をまたぐことはできません。 ルビは、全角のみです。ルビのつけ方を、%( ル ビ)と空白を 入れたりできます。また、ルビが行をまたぐために、改行がおかしい場合は、 %(ル)%(ビ)と漢字ごとに分けて指定すると、直ります。
%indent %indent num
(numは半角数字)
インデント(字下げ)をnum文字分とします。
題名や著者名などの字下げに使用します。
字下げが終わったら、%ind 0としないと、もとに戻りません。
%vtab %vtab
(vertical tab
縦タブインデントの略)
見開き半ページ分、スキップします。
見開き1ページは、右10行、左10行に、それぞれページ番号が 振られていますが、その次ページへスキップします。
ちょうど10行目の場合は、なにもしません。
%formfeed %formfeed
(フォームフィード・改ページのこと)
見開き1ページ分、スキップします。
見開き1ページは、右10行、左10行に、それぞれページ番号が 振られていますが、右にいても、左の次ページへスキップします。
ちょうど左ページの10行目の場合は、なにもしません。
%mes %mes num メッセージレベルを指定します。
レベルが1や0なら、必要な状態メッセージとエラーのみ、 レベルが2なら、コマンドの指定等、 多めの状態メッセージも欄外に出力されます。
赤は、処理を中断したエラーメッセージ、 黒の出力は、エラーとなっても処理を続行したものです。 エラーと書かれていないものは、すべて、処理の進行を示すメッセージです。

画像コマンド 補足 説明

画像用のみです!
%jpg %jpg str
(strは、jpgの拡張子を含めたファイル名です。gif/png/bmpも可。)
画像エリアにある、画像ファイルを表示します。
画像ファイル名に日本語は、使用できません。 (文字列は、行末まで、すべて、含まれます。) 表示サイズのデフォルトwxhは、140x187です。 画像は、見開きの左ページか右ページに1つ表示できる程度です。 %jpg strの次行には、%vtaをおいて、 次ページへスキップして、行番号をリセットする必要があります。
%j_w %j_w num
(numは半角数字)
画像ファイルの表示サイズwを、numに変更します。
デフォルトは、140です。最大360まで指定できます。
%j_h %j_h num
(numは半角数字)
画像ファイルの表示サイズhを、numに変更します。
デフォルトは、187です。最大480まで指定できます。
%j_c %j_c str
(strは文字列)
画像ファイルのコメントの文字列を指定します。
画像の下に、表示される文字列で、 リンク先のA hrefコマンドを/aまでや日本語等、 あらゆる文字列を指定できます。 文字列は、行末まで、すべて、含まれます。
%j_l %j_l str
(strは文字列)
画像ファイルのリンク先の文字列を指定します。
画像そのものに、張られるリンク先の文字列で、 リンク先のA hrefコマンドの前半をすべて書きます。次にimg srcがくるので、 /aは書きません。 文字列は、行末まで、すべて、含まれます。

詩的コマンド 補足 説明

詩などでしか使用しないコマンドです。
%chars 1行目行頭の
%chars num
(numは半角数字)
(chars/lineの略)
1行の文字数をnum文字とします。
novファイルの第1行目行頭でしか指定できません。
numは、20~44が指定できます。
デフォルトは、33です。
デフォルトの33が一番印刷しやすく読みやすいのですが、 大賞等の応募の際、たまに、 1ページ文字数を20×20限定のように指定されることがありますので、 このコマンドを使用します。
1ページの行数は、右10行、左10行の原稿用紙どおりで、変更できません。
%page 1行目行頭の
%page num
(numは半角数字)
開始ページ番号をnumとします。
novファイルの第1行目行頭でしか指定できません。
(%chaが指定されたときは、第2行目行頭も可。)
numは、奇数(右ページ番号)を指定します。 (num偶数の場合は、num+1から開始します。)
このコマンドにより、001.novと002.novをつなげて長編にしたりできます。 指定可能な開始ページ番号は、1~9999の4桁までです。 見開きページで、右が1ページ目なら、左が2ページ目となります。 ページ番号は、クリックすると、右なら前ページへ、 左なら次ページへ移動できます。
%bla 1行目行頭の
%bla
(black and whiteの略)
背景を黒、文字色を白とします。
novファイルの第1行目行頭でしか指定できません。
(%cha/%pagが指定されたときは、第2/3行目行頭も可。)
詩などで、どうしても、背景黒で見せたい場合のみしか、使用しません。
%line %line +num
あるいは
%line -num
(numは半角数字)
現在ページの行番号を、+num増やしたり、-num減らしたりします。
%line -5とすると、そのページを、20行でなく、25行にできます。 詩などで、どうしても1ページに収めたい場合に使用できます。
また、%jpgコマンドでは、内部的に行番号を+8しますが、小さい画像などで、 そのページに収めたい場合に、%lin -5とすると、そのページに収められます。
%foc %foc on
あるいは、
%foc off (focusの略)
%foc onで、文字色をブルーにして、%foc offで、黒に戻します。
%foc onは、フォーカスしたい文字行の直前に、 %foc offは、改行コマンド(%newや )の直後に指定します。
詩などで、歌っている行をフォーカスして見せる場合くらいしか、使用しません。

FAQ
Q:試用版やゲストでなく、正式ユーザとして、 サポートを受けながら、使用するにはどうしたらよいですか?
A: paypal を通じて、定期購読をお申し込みください。
月980円(毎月の自動支払い、税込み)です。 (クレジット可。海外からのご注文も可。手数料等一切無料。)
ご注文いただくと、 ユーザの方専用ディレクトリ・非公開URLを、 メールでお知らせします。 (ユーザIDは、paypalにご登録のメールアドレスとなります。)
1セット9作品で、各novファイルサイズ750KBまで(見開き500ページ程度まで)です。

タイトルの001.nov等やタイトル画像は、事例タイトルのように、 日本語名にリネームしたり、別の画像(gif/png/bmpも可)に変更できます。 いつでも、ご指定ください。

画像ファイルは、合計ファイルサイズ6MB(40KBの画像ファイルなら150個、 1KBのgifファイルなら、6000個くらい)までです。 ファイル数に制限はありません。



お得な、1年分まとめて9,800円(1年ごとの自動支払い、税込み)もあります。

購読のキャンセルは、右下のボタンで、いつでも、お受けしています。 購読キャンセルなされても、 お支払い済みの期間の末日まで、正式ユーザでいられます。
ノヴァリアン 定期購読 1セット (9作品) 980円/月

ノヴァリアン 定期購読 1セット (9作品) 9,800円/年


バージョン履歴 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.0
Dec 12, 2017
Microsoft Windows版 (非公開)
NOVELYAN 1.1
Jul 22, 2018
画像コマンド追加
NOVELYAN 1.12
Nov 24, 2018
ネットワーク版リリース
NOVELYAN 1.20
Apr 20, 2019
文字コードをUTF-8に統一
(novファイルは、シフトJISも可)